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第9話 修行

 異世界に来てから一週間。

 俺は勇者3人組と、毎日修行をしていた。

 俺はとても焦っていた。



 俺だけレベルが上がらない。




 修行の内容はというと、最初に武器の扱い方と魔法のレクチャーを受けた。

 掛谷と俺は剣、関岡はナックル、征木は杖を使っている。

 魔法については、まずは魔力の練り方など基本的なことを教わっただけで、まだ使わせてもらってはいない。

 素人がいきなり魔法を使うと、魔力が暴走してしまうことがあるそうだ。


 基本のレクチャーの後は、素振りや魔力を練る基礎訓練を繰り返しつつも、1日に1回この国の兵士と模擬戦をやらせてもらっていた。

 LV1にしては強いらしい俺たちだが、兵士たちはレベル20以上。

 戦闘など初体験だということもあって、最初は相手にならなかった。

 しかし、3人組は成長促進のスキルと、元の世界での圧倒的なスペックのおかげもあって、あっという間に兵士たちを圧倒するようになる。

 魔法特化の能力を持つ征木でさえ、杖という物理戦には向いていなそうな武器にも関わらず、兵士たちでは歯が立たなくなった。

 俺はというと、戦い方は学習したのである程度は戦えるのだが、簡単に力負けするし、スピードでも勝てない。

 理由ははっきりしている。

 俺だけレベルが1のままなのだ。



 最初は、基礎訓練と模擬戦しかしていないから、それではレベルは上がらないのだと思っていた。

 しかし、3人組を見ていると、どう考えても腕力や敏捷力などが向上していっているようにしか思えないのだ。



 修行5日目、俺は思い切って、かつさりげなく、3人組に聞いてみることにした。



 「なぁ、修行始めて5日経ったけど、レベルどれくらい上がった?」

 「俺とあおいはレベル7になったよ。りんはレベル6だ。柴崎は?」


 あおいは関谷のことで、りんは征木のことだよな。

 1日に1以上のペースでレベル上がってるのか……なんで俺だけ上がらないんだ?

 成長促進持ってるのと持っていないのでは、6倍以上の差が出るのか?


 「俺はまだまだ低いよ。成長促進ってすごいんだな」

 「あぁ、成長促進を持っていると、倍のスピードでレベルが上がるらしい。さすが勇者スキル、チートだよな」


 ……倍?

 じゃあ、俺はレベル3にはなってないとおかしんじゃないの?

 なんで俺、レベル上がらないの?

 魔王だから?

 魔王は魔王になった瞬間のレベルのまま変わらないってやつ?

 ステータス確認した時に俺が掲げた魔王修行説、ここに破れたり?

 もしそうだとしたら、俺ずっとレベル1ってこと?

 史上最弱の魔王、ここに現る!??



 違う、きっと違う……修行のやり方が俺だけ悪いんだ、と自分に言い聞かせてその後2日間、死に物狂いで頑張ったが、俺のレベルは1のままだ。

 魔王固定レベル説が真実味を帯びてきた。

 異世界に来てから、ずっとピンチだよ。

 そして、このままだとこれからもずーーーっとピンチだよ。



 心が折れかかっていると、ランスロット大佐が1週間の修行の成果を確認するために、実際に魔物を倒しに行こうと提案してきた。

 あ、そうなんだ……2度と口を利きたくなかったのに、修行の担当はランスロット大佐だったんだ……


 「柴崎君はまだちょっと不安だが、勇者の3人はこの国の周りにいる魔物なら楽勝だろう。いざという時は、僕たちもいるから安心して、魔物と戦ってほしい。魔物を倒した方が、レベルは上がりやすいからね」


 ”柴崎君”にルビで弱者って書かれている気がする。

 ちょっと疑問に思ったことがあったので、聞いてみる。


 「この国の周りの魔物が弱いというのは、強い魔物はもう駆除したからってことですか? もしそうなら、どうして全ての魔物を駆除しないんですか?」

 「うん、いい質問だね」


 ”うん”の後に、弱者のくせにって聞こえた気がする。


 「魔物というのは、魔素の渦と僕たちが呼んでいるものから生まれるんだ。魔素の渦を封印すれば、それ以上魔物は生まれてこないんだが、魔素の渦は見つかりにくいところにあるんだよ。これまでもかなりの数を封印したんだけど、まだまだ魔素の渦はあるんだ」


 なるほど、魔物は人間とは繁殖方法が違うのか。


 「そして、魔物というのは、魔素を吸収することで強くなっていくんだけど、この辺りは魔素が薄い。だから、強い魔物が育ちにくいんだ。強い魔物に育つのに時間がかかる上に、強くなる前に僕らが倒してしまうからね」


 なるほど、魔物も成長するということか。

 だけど、成長の仕方も人間とは違う……と。

 ん? なんか大事なことに気が付いたような気がする。

今日はたくさん投稿して、なんとか今日中にプロローグを終わらせたいです……!!

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