第13章 桜井
宇陀にベースキャンプを設営した日向軍。この日イワレ、オオクメが桜井攻略に向かう。
「殿下、桜井でございます。ヤソタケルが待ち構えています。」
「オオクメよ、同盟の宴にご招待と言っているが、これは罠なのだ。」
「私が参りましょう。」
「オオクメは館の外を見張っていてくれ。すでに敵の偵察に面が割れている。私を信用しろ、敵を討ち果たし、必ず駐屯地に戻る。筑紫少年隊、準備は良いか。」
筑紫少年隊、3人は接待服に鎧を隠し、酒の入った弥生土器を手にしてイワレに続く。
4人はヤソタケルの館に入場した。先方はヤソタケルほか3名。イワレ、筑紫少年隊が着席すると、声をあげたのはヤソタケル。
「ウエルカムヤマト」
イワレが問う。
「何の呪文だ?」
「予言の言葉です。ヤマトの民は救世主の登場を待っています。歓迎しますカムヤマトイワレビコノミコト」
「ありがたき。日向から焼酎を取り寄せました。さあ飲みましょう。ケヤ、カヤ、シマお注ぎなさい。」
「ヤマトの未来に乾杯」
「早速だが、イワレビコ殿下はヤサカニの勾玉を手に入れられたのか」
「ヤサカニの勾玉ですか。何なのですか?」
「天より伝わるヤマト統合の象徴と言われる。見つけ出してお祀りくだされ。」
「良い話を聞かせてくれた。お礼の唄を披露しましょう。」
イワレが独唱し舞う。
忍坂の 大室屋に
人多に 来入り居り
人多に 入り居りとも
みつみつし 久米の子が
頭椎い 石椎い持ち 撃ちてし止まむ
みつみつし 久米の子らが
頭椎い 石椎い持ち 今撃たば宜らし
イワレの唄を合図にケヤ、カヤ、シマが接待服の羽織を脱ぎ捨てると戦闘服姿となって短剣を取り出した。
それぞれヤソタケル幹部に襲い掛かる。
イワレは鉄剣を抜き放ち、敵をなぎ払う。
ケヤは敵と組討ち、投げ飛ばし押さえ込む。
カヤは立ち技、パンチ、キックで相手に打撃を与える。
シマはすばしこく敵の攻撃をかわしつつ敵を疲れさせる。
それぞれ、敵にとどめを刺し館から脱出する。
騒ぎを聞きつけ館のまわりにヤソタケルの警備隊が集まる。
屋根から3羽のカラスが次々舞い降り前進する、道が開けた。
前方にはオオクメが待っている。
「ヤタノカラスの導きだ、こちらから脱出するぞ。」
イワレと筑紫少年隊は敵地から離脱した。




