第二話:殺人鬼
*この話しは多少残酷な言葉があります。ご注意下さい*
死刑場
「殺して何が悪い!俺はなァ死んでもお前等人間を殺しつづけてやる!ザマァ見ろぉ!ギャハハハハッ!」
男はそう残して死んでいった。
【沙夜架!おい沙夜架!起きろ!仕事だぜ!】
「ん〜。。今日日曜でしょー?仕事休む。おやす・・【あの連続殺人犯が死んだ!死んでも殺しつづけるって残したらしいぜ!】え?!」
キルに起され、日曜だからと二度寝しようとした沙夜架だったが、キルの二度目の発言で一気に目が覚めた。
【俺の霊友達が言ってたんだけどさ、この間からこの辺うろついてるらしい!】
「わかった!今着替えるから、今どの辺にいるか分かる?」
【南町4番地のデパ地下だぜ!】
「了解!」
沙夜架は急いで着替え、予め焼いてあった食パンを咥えながら家を出た。
南町4番地 地下街
「うっ」
ある一人のスーツを着た男が急に苦しみ出した。
そこに、近くにいた地下街の女店員が駆け寄ってきて、「どうかなさいましたか?!」と慌てた様子で尋ねてきた。
「く、苦し・・首が、締め付けられ・・うぐっ」
よく見ると、男の首がまるで誰かに締め付けられているかのような痕がどんどん濃くなっていく。それを見た店員や客は悲鳴を上げながら男から逃げて行った。
「連続殺人犯、本山斬弥」
全員逃げた事を確認するように一人の高校生ぐらいの少女と、隣に小柄な少年が男の前に現れ、少女がそう言った。
すると、男の首の締め付けられた痕は濃くなるのが止まり、男は余程苦しかったのか、息を荒くしながら近くに転がっていた鞄を掴み悲鳴を上げながら逃げて行った。
逃げて行ったのを確認し、少女、否、沙夜架はこう続けた。
「あなたが本山斬弥で間違いないわね?」
沙夜架がもう一度言うと、ポウ・・・と人型に黒く光り、少しするとその中から男が現われた。
【お前、俺の事が見えるのかァ?まぁどうでもいいけどなァ、次は女ァお前から殺ってやらァ】
本山が言うと、本山が沙夜架に襲いかかってきた。
「フフ・・・殺れるもんなら殺ってみなよ・・・キル!」
【待ってました!】
「神よ、この者は地獄天国への道を拒み、歯向かって来た――」
「地獄か天国。この者に相応しい罰とは何か――?」
〔ヘル――〕
「本山斬弥、地獄へと導かん――」
言い終えると、本山は黒い光に包まれた。
【な、なんだこれは?!やめろ!行きたくない!地獄になんていきたくなっ・・ギャァァァァァァァ!!!!!】
黒い光が本山を押し潰して行くと、本山は悲痛な叫び声を上げ、消えた。
「今日はちょびっとてこずったね。」
地獄へと人間を送った後、少しだけ気分が重くなる。
【だな・・・】
それは、キルも同じだったようで、表情が暗い。
「帰ろっか・・・・」
【ぉぅ・・・】
こういう時に思う。
私達のしていることは、正しい事なのかと―――。
××県南町 本山 斬弥
地獄
永久に、罰を受けん。