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第1章 ~旅立ち~

「君のことを必ず……必ず助ける!」


その一言を最後に僕の意識は覚醒する。

まるで、その先の展開を僕が覗くことを遮るかのように。

未来は自分で掴み取れ、と言わんばかりに…。



「………っ!」

目が覚めたときの気分は最悪だ。

こんな最悪の目覚めを演出してくれる夢を僕は他に知らない。

「またあの夢か…」

この悪夢は割りと昔からちょくちょく視ていた。

初めて視たのはたしか、8歳のときだったかな。

当時から、夢の中に登場する自分と女の子の容姿は全く変わってないのが何とも不気味ではあるが…。

……所詮、夢は夢でしかないからな、悩んでいても仕方ない。

そう思った僕ー東条未来とうじょう みらいーは、布団から抜け出して朝の支度を始めた。

「さてと、、、」

現在の時刻は7時半

学園まで20分はかかるから、あまりのんびりしている時間はない。

「制服、制服っと」

制服に着替え、鏡の前にたつ。

そこに写るのは、身長172cm、体重61kgの身体。

寝癖が少し残っているため、少しばかりツンツンした黒髪と、やる気というものが全く感じられない瞳。

とくに代わり映えのない、いつも通りの自分の姿であった。

とりあえず、気になる寝癖を直す。

「予備バッテリーの充電は終わってるな」

教科書は全て学園に置いてきているので、筆箱、スマホの予備のバッテリー、財布を鞄に詰める。

あとは、冷蔵庫で冷やしてあるお茶を入れれば、準備は全て終わる。

この時点で、時刻は7時50分。

「まだ時間あるな」

普段、朝食は時間があれば食べる、時間がなければ食べない、という感じなのだが、この時間なら食べてもホームルームには間に合うな。

なんてことを考えつつ、1階にあるリビングに移動する。

「おはよー。って言っても誰もいないか…」

親父は仕事が朝早いためすでにいない。

母親は最近、仕事のため海外に出張しているからいない。

そのため、身の回りの家事やらは自分でしなくてはいけない状況にあるのだが、すでにこの生活も2週間を過ぎているため慣れたものである。

いつもの通り、昨日の内に買っておいた菓子パンと、食パンをトーストしたものという朝食を食べる。

ものの10分で全てを平らげ、冷やしておいたお茶を手に自室に戻る。

「財布よし。お茶よし。筆箱よし。予備バッテリーよし。他に持ってかなきゃいけないものはないな」

現在の時刻は8時15分。

別段慌てる必要はない時間である。

むしろのんびり出来る。

「だからと言って、のんびりはしないけどな」

自分以外誰もいない自宅で過ごすより、友達のいる学校にいた方がまだ有意義である。

「んじゃ、行きますかね」

自室とリビングの窓の鍵がしまっていることを確認して玄関へ向かう。

靴を履き、鞄を持ち、誰もいない家に向かって一言。

「いってきますー」


ただ一言そういって扉を開いて…。


普段となんら変わらない日常に向かうはずだった僕、東条未来は…。


何かしらのイベントを向かえることもなく…。


”異世界に降り立った”

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