変な外国人
「やあそこのお兄さン。」
開幕早々外人っぽい人に話しかけられる。
俺の名前は白輝修羅。あらすじに名前の読み方は書いてある。
苗字のように白く輝く髪は・・・持ってない。
名前のような硬派な性格も・・・持ってない。
普通に髪は黒いし、周りに比べたら穏やかな性格だし。
「ちょっと、無視しないでよ、お兄さン。」
で、今どういう状況かというと、
「学校の帰り道にいきなり外国人っぽい人手を引っ張られ、ひそひそ声で喋られたら、振り切って逃げたくもなるよ。」
「ひどいなあお兄さン。俺は同性愛者だヨ。」
「!?」
手を高速で離す。
「あ、間違った。同性愛者じゃないヨ。」
「び、びびったー・・・。」
マジもんかと思ったじゃねえかよ・・・。
「・・・で?何の用だよ?」
「あ、そうそウ。ちょっとここだと聞こえちゃうかラ。」
手を引っ張られ、路地裏へ引き込まれる。
ちなみに俺もこいつもずっとひそひそ声で喋っていた。
「ふう、ここだったら普通に喋れるね。」
「普通ってなんだよ?」
「ほら、さっきまでこんな風に喋ってたでショ?」
ああ、片言っぽかったな。
「実は俺、日本で生まれて日本で育ったから普通に日本語喋れるんよ。」
「じゃあ、何でそんな喋りかたしてたんだよ。」
「いやあ、こんな見た目でしょ?やっぱ片言っぽいほうが違和感ないかなって。」
・・・あんな喋り方のほうが違和感あると思うが・・・。
「で、君を誘った理由だけどね・・・」
いきなり土下座をする。
「君に僕たちの会社に入ってほしいんだ!」
「ちょ、ちょっと待て!」
いきなり何なんだ!?
「まず、土下座をやめろ。で、その会社はどんなのか教えてくれ。」
「お、話聞いてくれる?」
・・・今思うと、この時話を聞いてなかったら、どんな事になってたか、想像もつかねえな。