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スローライフを目指したい鈍感勇者のラブコメは、天《災》賢者の意のままに!!〜システィナ様の暴走ラブコメ劇場〜  作者: ざつ


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第4話 初めてのダンジョンと「恋人つなぎ」 -2

 システィナが作り出した迷宮は、一歩進むごとに地形を変える、まるで生きているかのようだった。冷たく湿った石の通路には、不気味なキノコが鈍い光を放ち、足音だけが虚しく響く。


「うわっ、行き止まりだ!」


 先頭を歩いていたカイが叫ぶ。だが、ルナとセレナは互いに顔を見合わせていた。


「どうするの、ルナ?このままじゃ、進めないわ」

「……ふん、システィナのやつ、私たちを試してるんだ。ここで引き下がるわけにはいかない」


 ルナはそう言って、魔力を集中させる。彼女の狙いは、道を塞ぐ壁を破壊すること。しかし、強すぎる魔力はコントロールができず、魔法は壁の手前で爆発し、天井から土砂が降り注いだ。


「きゃっ!」


 セレナが悲鳴をあげる。その時、カイがセレナの手を強く握った。


「セレナ、大丈夫だよ。俺たちが一緒なら、大丈夫だ」


 カイの言葉に、セレナの心は安堵に包まれ、彼女の周りに淡い光が溢れる。その光は、まるで彼女の不安を溶かすかのように、じんわりと温かかった。


 その時、ダンジョンの奥から、複数の魔物の気配がした。ゴブリンだ。不気味な声が通路の奥から響き、不潔な臭いが漂ってくる。


「きゃああ!ゴブリンよ!」

「くっ、なんでこんな時に…!」


 セレナが叫び、ルナは焦りの表情を浮かべる。


「ふふん、あらあら。勇者様たち、いよいよ本番よ」


 突然、システィナの声が響く。彼女はどこからか、ルナとセレナのレベルを測定する魔道具を取り出した。


「あら、さすがね。もうレベルが3つも上がってるわ」

「……まさか、ダンジョンに入ってからずっと……?」

「ふふ、そうよ。ここは、勇者様たちが経験値を稼ぐにはもってこいの場所だわ。さあ、行くわよ、レオン」


 システィナが満足そうに笑いながら、レオンに合図を送る。レオンは、そんな彼女の様子に「やれやれ……また人の心を弄んで……」とため息をついた。


「さあ、勇者様。あなたは二人の力を信じて、進むべき道を切り開くのよ」


 システィナがそう言うと、ゴブリンたちが一斉に襲いかかってきた。彼らの手には、錆びた剣や棍棒が握られている。


「くそっ、やれるか!」


 カイが叫ぶ。その時、彼の頭の中に、システィナの声が響いた。


(勇者様、ルナちゃんの魔力は、あなたの絆の力で増幅されるわ。セレナちゃんの浄化魔法も、あなたの存在で心が解放される。あなたの力は、彼らを強くするのよ。さあ、その力を、今こそ解き放つ時よ!)


「行くよ、ルナ!」

「……え、ちょっと待って!ま、まだ……!」


 ルナは混乱した表情を浮かべるが、カイは彼女の手をしっかりと握り、前へと踏み出した。彼の声に導かれるように、ルナは無意識のうちに魔力を集中させた。彼女が放つ魔法は、先ほどとは違い、正確にゴブリンの群れを焼き尽くした。


「はっ……!」


 ルナは、自分の魔法が成功したことに驚きを隠せない。その間に、セレナが浄化魔法を発動させ、ゴブリンの残骸を清らかな光で包み込んだ。


「すごい……!カイさん……!」

「……ふん、当たり前だ。私にかかれば、こんなもの……」

「でも、本当にすごいですわ、ルナさん!」


 セレナが目を輝かせながら言うと、ルナは照れくさそうに顔を赤らめる。


「ふふふ……いいわね、その調子よ。さあ、次は……」


 システィナの声が再び響く。迷宮の通路が再び変形し、新たなゴブリンの群れが現れた。彼らは、先ほどのゴブリンよりも一回り大きく、手に持った棍棒からは、禍々しいオーラが放たれている。


「くそっ、また来たのか!」


 カイが叫ぶ。だが、ルナとセレナは、先ほどとは違い、落ち着いて状況を判断していた。


「カイさん、私はゴブリンの動きを封じますわ!」

「私は、魔法でゴブリンを焼き払う!」


 セレナが浄化魔法を発動させ、ゴブリンの動きを鈍らせる。その隙に、ルナが攻撃魔法を放つ。彼女の魔法は、以前よりも正確に、そして強力にゴブリンの群れを焼き尽くした。


「すごい……!ルナ、セレナ!」


 カイが二人の活躍を称賛する。ルナとセレナは、カイに褒められたことに、満面の笑みを浮かべるのだった。


「ふふふ……見なさい、レオン。彼らは私の思惑通り、成長しているわ」

「ああ、だが、彼らだけではまだ……」


 レオンがそう言うと、システィナは満足そうに微笑んだ。


「その通りよ。だからこそ、私たちが必要なのよ。さあ、そろそろ、本気で楽しませてもらうわ」


 システィナはそう言って、レオンと共にダンジョンの出口へと向かった。レオンは、そんなシスティナの表情を見て、「ああ、間違いない。絶対に何か企んでる目だ……」と心の中で呟くのだった。



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