第33話 鈍感勇者と、新たな旅の始まり(最終話)
長く、険しい道のりだった。
だが、一行はついに、魔王城の前に立っていた。その巨大な扉は、これまでの旅のすべてを物語るかのように、威圧的なオーラを放っている。
「ついに来たな…」
レオンが、感慨深げにつぶやいた。システィナもまた、いつもの余裕を失い、真剣な表情でその扉を見つめている。ルナ、セレナ、フィリアは、緊張しながらも、固い決意の眼差しをカイに向けていた。
カイは、三人のヒロインたちの視線を受け、そしてレオンとシスティナへと向き直る。彼の顔には、もう迷いや混乱の色はなかった。
「みんな…」
カイは、全員をまっすぐに見据え、強く、はっきりとした声で宣言した。
「俺は、みんなと魔王を倒したい。そして…みんなと、この旅を続けたい!」
その言葉に、ルナ、セレナ、フィリアは安堵と喜びに満ちた表情を浮かべた。彼が誰か一人を選ぶのではなく、全員との「絆」を選んだことを理解したのだ。
「まったく、本当に困った勇者だわ」
システィナは呆れたように微笑む。
「それでも、俺たちの旅は終わらない。勇者カイ…いや、俺たちのリーダー…!さあ、行こう!」
レオンは、カイの背中を力強く押した。
「うん!」
カイは、大きく頷くと、ルナとセレナ、フィリア、レオン、システィナ、そして彼自身、6人全員で魔王城の扉へと手をかけた。
ギィ…という重々しい音を立てて、扉が開く。そこには、魔王の待つ、最後の戦いの舞台が広がっていた。
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