表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/261

98 魔力植物調査 三日目① 【side ライガーン】

 第一区域の救護所にいた俺は、アーノルド殿下とシブロン殿下が負傷したと連絡を受けた。

 至急、第三区域に来て欲しいとのことで他にも重軽傷者が多数いるとの報告も受け、慌てて第三区域のアーノルド殿下の天幕までやってきたのだが……。


「マヤゴン魔術騎士団長。ライガーンです。入室してもよろしいでしょうか」

 一番始めにアーノルド殿下の天幕に向かう。その途中で受けた報告を聞いて、シブロン殿下は命に別状なしと判断したからだ。

 天幕の前で、俺はしばし待機する。


 まだ……マヤゴン魔術騎士団長が毒抜きをしているのだろうか……。それならば、集中力を途切れさせないためにも入室を控えたほうがいいかもしれない……。しかし、アーノルド殿下の状態が気になった俺は、ひと言、声をかけてから天幕の中に入っていった。

 天幕の前に立っていた護衛によると、マヤゴンは「ライガーン以外の者は通すな」と指示を出していたそうだから、俺ならば良いのだろう。


 そっと、入室して俺は……正直、困惑した。

 なぜなら、マヤゴン魔術騎士団長の衣服は乱れており、その上に寄り添うアーノルド殿下の姿がある。

 そっと近づき、アーノルド殿下の呼吸を確認すると、生きていることがわかり胸をなで下ろす。


 良かった……顔色は良くないがマヤゴン魔術騎士団長が処置をしてくれたおかげで快復に向かっているのかもしれない。

 すると、俺に気が付いたマヤゴン魔術騎士団長がゆっくりと上半身を起こし、立ち上がる。

 彼は、一番最初にはだけていた衣服のボタンを留めてから、俺と視線を合わした。


「すまない。疲れて眠ってしまっていた」

「いいえ、こちらこそ、到着が遅くなり申し訳ありません。ところで……なぜ、そんな格好を?」

 男性同士とはいえ、アーノルド殿下の中身は女性なのだから男女が横たわっているのは……いかがなものかと思ったからだ。

「あぁ、毒の影響で、アーノルド殿下は発熱をしていたからオレ自身を魔法で冷たくして傍にいただけだ。ヒンヤリとしていたから、多少熱は下がったと思うのだが……」

 俺は、それならばタオルでもベットでもそこに氷魔法でもかけて冷たくしてしまえばよかったんじゃないかとも疑問が浮かんだが、それを言葉にすることは無かった。


 そして、マヤゴン魔術騎士団長がアーノルド殿下の首元に手をあてて、熱を確認しようとした時。


「!!」


 マヤゴン魔術騎士団長の表情が抜け落ちる。何か異常があるらしい。

「どうしましたか?」

 俺が話かけても、すぐに答えずゆっくりと天幕を見渡す。

 いったい何が起きたのだ。俺にはすぐにはわからなかった。マヤゴン魔術騎士団長だからすぐにわかったのだろう。

 彼は目を見開いたまま、もう一度アーノルド殿下の顔に視線を戻して、その後、俺の方を向いた。

 いつも落ち着いていることの多いマヤゴン魔術騎士団長が取り乱している姿を見て、俺も大変なことが起きたのだと感じずにはいられなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ