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90 魔力植物調査 二日目③

「兄上……?」


 肩を抱いている少年が顔を上げて、アーノルド殿下を凝視しているのに気が付いた。


「あ、あぁ。怪我はしていないかい?」


 私は、シブロン皇子殿下とどう接してよいかわからないので、ひとまず当たり障りのない内容を尋ねる。


「はい。怪我はしておりません」

「そう……それなら良かった。よく頑張ったね」


 私は孤児院にいた時の子供に話かけるような感じで、返事をすることにした。

 ……それにしても……この子は、本当にアーノルド殿下とは全く似ていないわね。

 いや、似ていないのはアーノルド殿下の方なのか。確か崩御された正妃の絵姿を見た事があるが、シブロン殿下と同じ金髪碧眼だった。

 アーノルド殿下のこの漆黒の髪色と金色の瞳は誰の血が濃いのかしら。


 そんなことを考えて、スックソン騎士団長の帰りを騎士団員とシブロン殿下と共に待っていると、突然、広場に大きな塊が現れたかと思うと、突然、イノシシのような魔物が襲ってきた。


「ぐはっ」


 今朝、天幕の護衛をしていてくれた男性団員の腕が突然、嚙みちぎられる。


 一体、どこから現れたの? 


 近くにくるまで全く気が付くことができなかった。横からの茂みから飛び出してきたため、負傷した騎士団員も気が付くのが遅れたようだった。


 イノシシのような形をしているけれど、目が三つもあり薄気味悪い。目が三つもあるのだから、視野が広く、広角で獲物をとらえることができる魔物なのだろう。

 私は、シブロン殿下の手をしっかり握る。アーノルド殿下の身体も、シブロン殿下も二人の身体を守らないと。


 そう考えているうちに、私とシブロン殿下目がけて突進してくる魔物に、騎士団員が切りかかって対峙してくれている。


「アーノルド殿下、シブロン殿下。早くお逃げ下さい!!」


 その言葉を聞いて、私はシブロン殿下と共に走り出す。私たちの後ろにもう一人、騎士団員が走りながら続いてきてしんがりを務めてくれる。残してきた騎士団員のことも気になるけれど、今はシブロン殿下を守らないといけない。

 第四区域の方へ逃げていくうちに、いつの間にかしんがりを務めていた騎士団員の姿が見つからない。走るので精一杯で気が付かなかったけれど、ひょっとしたら先ほどの魔物が追ってきていて襲われたのかもしれない。


 そう思って、足を一度止めて見ると、先ほどの彼が追い付いてきた魔物と戦って、腕に嚙みつかれているところだった。


「えい!!」


 私は、渾身の力でマヤゴン魔術騎士団長に教わった、風魔法を魔物に当てると、魔物は噛みついていた騎士団員を振り落として、少しだけ後ろに引き下がった。


「よし、今のうちに行こう!」

「はい」


 私は再びシブロン殿下の手を取り、走り出した。

 しばらくすると、魔物が再び後ろを追って近づいてくる足音が聞こえる。


 しぶといわね。


 私は、後ろを振り返り、再び風魔法を何発も連続して打つ。しかし、後ろに気を取られていた私は、気が付かなかった。

 急に、手を繋いで走っていたシブロン殿下の身体がガクンと下に落ちたかと思うと、手を繋いだまま、私もそのまま足元から地面の感触が無くなり、シブロン殿下と共に落下してしまった。

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