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87 魔力植物調査 初日夜④

 今のは……首筋にキスをしたということよね……。初めての柔らかい感触とマヤゴン魔術騎士団長の近づかないと気が付かないほどの爽やかな香りが後になって、鼻孔を刺激して心臓がバクバクしてしまう。

 私の首すじもマヤゴン魔術騎士団長が触れた部分が熱を帯びて、身体が熱くなってくる。

 は~。きっと赤面しているに違いないわ! リアナとして今の行動を異性からのキスだったと考えた途端、恥ずかしさがこみあげてきて、慌てて両手で顔を覆った。


「殿下……。大丈夫でしょうか。ご気分が優れなくなりましたか?」


 私は、心臓が早鐘を打っているので返事をすることができず、フルフルと顔を左右に振って気分が悪くなったのではないと声に出さずに伝える。


「おまじないは、終わりましたのでこれにて失礼いたします」


 私は、まだ両手で顔を覆ったままコクコクと顔を上下に振って、了解したと意志を示すとマヤゴン魔術騎士団長の足元が遠ざかっていくのが気配でわかる。彼が天幕から出て行く衣擦れの音を聞いても、私はしばらく両手で顔を覆ったまま、身体の熱と顔の火照りが引くまで、椅子から立ち上がることができなかった。


 ■■■


「はーーーーーーーーーーー。ビックリしたーーーーーーー」


 私は、やっとうるさかった鼓動が落ち着いてきたので、ゆっくり顔を覆っていた両手を離して、ゆっくり膝の上に両手をのせる。

 椅子に座り続けていたのも、腰が抜けてしまったせいだとは自覚したくなかったわ……。


「……あれは……キス?」


 私は、冷静になって先ほどのマヤゴン魔術騎士団長が天幕に入ってきたところから、思い出す。

 なんで、キスをする流れになったの!? そんな雰囲気では……なかったはずよね!?

 突然の出来事だったから、どうしてあのキスに至ったのかをもう一度思い出してみた。


「え? でも、おまじないって……」


 私は落ち着いてきたら、先ほどのキスは男女仲や恋愛云々ではなかったのだと思い至る。

 そうだわ! マヤゴン魔術騎士団長はおまじないをするって言っただけじゃないの!

 嫌だわ、私ったら変な想像をしてしまって赤面してしまったけれど、きっとこれは……


「ラーン帝国のおまじないのやり方!!!」


 そうなのね! 知らなかったわ! もうベルフォン王国なら手を組んでお祈りしたり、国や地域によってお祈りの仕方が異なるなんて当たり前じゃないの! 

 嫌だわ~。 それを勝手に恋愛の類いに勝手に思い込んでしまったのは、恋愛経験のないリアナじゃないの!!!


「あ~、恥ずかしい勘違い!!」


 私は、天幕の中で独り言をつぶやく。そうでもしないと自分の勘違いが恥ずかしくて居ても立っても居られないから。

 そうよね。今の見た目はどこからどう見てもアーノルド殿下、つまり男性なのだからマヤゴン魔術騎士団長だって異性としておまじないをしたんじゃなくて、純粋な気持ちで公務の安全を祈ったにすぎないのだったわ!


 これがラーン帝国式のおまじないなのね……。覚えておかなくては。次に同じようなことをされても、それはリアナの女性に対してではなくてアーノルド殿下の御身を思っての行動なのだと理解して、赤面することなく感謝の気持ちで受け取らないといけないわね。

 私は、初めての首元へのキスは、おまじないであって愛だの恋だのそういうものではないのだと、寝付くまで何度も何度も自分に言い聞かせた。

読んで下さりありがとうございます!


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