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45 リアナ聖女の新たな試み

 再びぼくは、大きく息を吸い込む。大事なのは勢いだ。


「実は…回復魔法の代わりに風魔法が使えるようになったので、それでこの医院のお手伝いをさせてもらえないでしょうか」


 ぼくは目をつぶって俯いた。さっきと同じような光景だから、傍からみたデジャヴに見えているかもしれない。


 しかし、どれだけ経っても、誰も声を発さない。どうしよう。やはり風魔法では役不足か……。

 回復魔法が使えない聖女が風魔法を使ってどうするんだ! そんな風に受け取られたかもしれない。

 ぼくは、長い沈黙に耐えられず、そっと顔を上げ、片目をおそるおそる開いてみる。


 聖女の三人は大きく口をあんぐりと開けて、口に手を開けている。

 そして、ぼくと目が合った瞬間。


「え!え!え~~~!!!」

「すごいじゃないの! 回復魔法が使えなくなって風魔法が使えることができるなんて、そんな奇跡ある~?」

「そうよね~。魔法が使えるだけでも珍しいのに、まさか別の魔法に目覚めちゃったってことでしょ?!」


 三人は口々に叫び、何に驚いているのか教えてくれる。


 そうか。魔法が二つ以上使える人は少ないのか。そうだな。貴族や皇族に囲まれていると使える魔法が多いから当たり前だと思っていたけれど、魔法が使えること自体が珍しい上に、別の属性が使えるようになったって言ったから彼女たちは驚いていたのか。


 彼女たちに、ぼくが今できそうなことの役割を提案してみる。


「回復魔法は使えなくなりましたが、風魔法の練習をしたら、薬草を風で摘み取ったり、乾燥を早くしたりすることができるようになりました。あとは…移動が速くできるので、何かお薬などを届けたりすることもできると思います。だから、このままここで働かせていただきたいです。宜しくお願い致します」


「わぁ、それは、すごい助かるわね。私たちは薬師の方々とも連携している部分があるでしょう? そういう部分で助け合っていけたら、助けられる命や、早く治すことに貢献できるし、素晴らしいじゃないの! リアナはその風魔法を使った仕事を、これから宜しくお願いします!!」


「そうね。効率が上がりそうよね。風魔法を使う人は騎士団の人が多いって聞いていたから、聖女なのに使えるなんてすごいかもしれないわよ!」

「本当ね。新しい取り組みに挑戦できるから、私も大賛成よ!!」


 シャーリー聖女はすぐさま、ぼくの提案を受け入れてくれ、残りの二人も同意してくれる。

 良かった。ぼくがリアナ聖女の身体の中にいても、できることがありそうだ。


「働かざる者食うべからず」

 東方の国の言葉で、こういうのがあるって習ったけれど、まさにこのことを言うのだな!

 これで、リアナ聖女としての生活は保障されそう。一安心、一安心。


 ぼくは、早速今日から、薬の配達と薬草調達を担う聖女として、仕事に取りかかった。

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