17 1か月の成果
私がアーノルド殿下として生活してからちょうど1か月になった。
何とか馴染んできたわよ、私! よく頑張った!!
リアナの身体がどうなったのか、生死は確認できていないから、転生してアーノルド殿下となっているのか、リアナの身体が生き延びていて、そちらにアーノルド殿下の魂が入っているのかは、未だ不明だけどね。
わからないものは仕方がない。今はアーノルド殿下の身体を預かっているのだから、しっかり体調管理してしっかり育てておくわよ!
そういうわけで、この1か月、ラーン帝国文字を覚え、テーブルマナーを覚え、言葉遣いも、もともとアーノルド殿下が使っていた言葉遣いも取り入れたりしたら、なぜだかライガーンは気楽に話して欲しいと何度も言ってくるので、いつまでも友達? いやお兄さんに向けて話すような口調で話している。
さすがに、人前ではきちんと丁寧語で話しているわよ。TPOは大事でしょ。
忙しいライガーンがマナーに関しては、家庭教師をつけてくれたのも良かった。ライガーンの仕事の邪魔をしていないと思えるから、こちらも気兼ねなく、取り組むことができたのよね。
家庭教師の先生には、マナーに関しては基本の所作ができているって褒めてもらえたしね。
むふふ。やるじゃない!私!!
リアナ自身、孤児院に来る前の幼少期にどうやら教わっていたみたい。多分だけど。
教わった記憶がないのに、身体が自然と覚えているなんてね~。
本体はアーノルド殿下だから、殿下の身体が覚えているという可能性もあるけど、まぁ リアナもアーノルドも二人とも素晴らしいということにしておきましょう!
殿下は、寝ている時に頭をぶつけて記憶が無くなっている・・とライガーンに通達を流してもらってから1か月。
そんな寝相の悪い殿下なんて恥ずかしいのにね。臣下の皆さん、信じてくれてありがとう!!
ライガーンが脳内出血していたらいけないから屋外には出ないで下さいと言っていたから、全然外に出られなかった~。
もう息が詰まりそうよ。元気なのに出られないなんて、苦痛でしかなかったわ。
本当は頭なんてぶつけていないんだから、脳内出血するしているはずもないのに、本当に心配症だよね~。まぁ、元はと言えば、「記憶がない」と私がついた嘘のせいだから、自業自得なんだけれど。
えぇ、えぇ。
ライガーンを心配させてはいけないと思い、彼の指示通りにお利口さんにしていましたとも!
でも、もう外に出ても問題ないだろうと昨晩判断してくれたから、やっと外に出られる~!!
そういうことで、今日から剣術を習うことになっていた。正確には、殿下の剣術の授業が再開するらしいけど、私は剣術は習ったことがないから一から教えて欲しいなぁ。
「あ~あ、今日は雪降っていないんだね~。残念だなぁ」
この1か月、引きこもっていたから窓から舞い落ちる雪を眺めることしができなかった。外に出て、雪に触るくらいいいでしょっと何度もライガーンに掛け合ったのに、許可が下りなかったことが悔やまれて、ジトリと恨めしい気持ちで隣を歩くライガーンの顔を見上げる。
「そんな恨めしそうな顔で、見ないで下さい、アーノルド殿下」
ライガーンは、そう言いながら、右手で口元を押さえて私と反対方向を向く。
最近、よくわからないが時々、ライガーンが嬉しそうに口元を押さえたり、顔を覆う仕草を見る。
主人に対してその対応は正解でいいのか? 大事な大事なアーノルド殿下の臣下なんだろ? 何がツボなのかわからないが、散々この一か月、ライガーンには迷惑をかけてしまったので、思うところはあっても突っ込まないようにしている。
彼の眉間の皺も見なくなったしね!
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