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114 戻ってきた! ベルフォン王国に!!

「う゛ーーーー」


 先ほどまで高熱の中、意識が混濁していた。


 ……私……生きているの?

 重たい身体を目を閉じたまま触る。

 ……良かった。まだ生きているのね……


 誰かがあの狭い井戸で押しつぶされたアーノルドである私とシブロン第四皇子を助けだしてくれたのね。

 元気になったら、お礼を言わないといけないわね。


「はぁはぁはぁ」


 なぜだか、まだとてつもなくしんどい。

 まだ熱が続いているようだ。


 扉を開けて、誰かが入ってきたのを感じるけれど意識を浮上させることができない。


 おでこに手を当てて熱を確認してくれている。

 冷たくしぼったタオルをおでこにのせたあと、私の髪を何度か手で撫でつけてくれる。


「おかえり……リアナ」


 とても懐かしい声のようなするけれど、誰だったかしら?

 えっと……


 思い出そうとするけれど、疲れてもう……無理……。

 私はそのまま深い眠りについた。


 ■■■


 翌日。


 怖い夢を見て……ガバッと飛び起きた。


「こ、怖かった……」


 まだ心臓がドクドクしている。

 見た事のある景色、冷たい水の感触が残っていてブルブルと身体を震わしてしまう。

 怖気が立ったまま、なかなか現実に戻れない。


「夢見が悪い……だなんて……最悪ね……」


 でも、なんだか夢ではないような気がする。

(……私……先ほどの経験を前に実際にしたような気がする……水の中に沈められたことがあるような)


「はっ、私の過去の記憶?! そうだわ! 孤児院に来る前に起こったこと!!」


 頭が痛くて、まだ安静が必要なのだと理解する。

 騎士団員の誰かか……ライガーンが来てくれたら、今日はもう少し休みたいと言おう。


 そう思って、もう一度寝台に横たわろうと周りがどこなのか確認しようとした時。


「!」


 見覚えのある部屋の中にいた。小さいチェスト、少し硬い寝具。


「戻ってきたの?! ベルフォン王国に?!」


 先ほど怖い夢を見たばかりだというのに、今度は……不安になって心臓がドキドキしてくる。


(アーノルド殿下の身体が死んでしまったから……ここに戻ってきた……とか……)

 私は、アーノルド殿下と恐らくシブロン第四皇子も助けられなかったのだと思い、涙が出てくる。


「ごめんなさい……守れなかった……」


 私の無茶な行動で二人を死に追いやってしまったのだ。

 取り返しのつかないことをしてしまった。


 最悪の気持ちで無理やり立ち上がり、鏡の前に行く。


「やっぱり……リアナに戻ってる……」


 見慣れた可愛い黒髪少年の姿は鏡に映らない。

 自分自身の……リアナの身体に戻ってきたということが嫌でも理解できてしまった。


 そこに、ドアをノックする音が聞こえる。


「リアナ? 入ってもいいかしら? 」


 懐かしいシャーリー聖女の声が聞こえる。


「はい……」


「あら? 今日はひどい顔ね。体調が悪いの?」

「はい。ちょっと疲れが出たみたいで……今日はお休みしてもいいですか?」

「もちろんよ! たまには身体も心も休めた方がいいわ。ゆっくり休んでね!」


 シャーリー聖女は、治癒魔法で治そうとはしなかった。

 私が精神面で病んでいると察してくれたのだろう。


 久々の再会に本当は、飛びつきたいくらいだったけれど、アーノルド殿下のことを思うと喜ばしいことも悲しくなってしまった。


「私のせいね……」


 私は自分がうまく立ち回れなかったことを後悔したまま、もう一度、寝台に潜り込む。

 先ほどの怖い夢。孤児院に来る前の記憶が断片的に蘇ってきている。


「ダメだわ……情報が多すぎて頭が整理できそうもないわ……」


 私は、寝台に横になるともう一度目を閉じて、昨日まで参加していた魔力植物調査の出来事を思い返していた。

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