112 面影 【side ライガーン】
ガバッ
俺は眠りに落ちようとしている瞬間に、先ほどアーノルド殿下に見せていただいたリアナの顔を思い出す。
「なんで、今まで気が付かなったんだ!!」
俺は、今までのアーノルド殿下とリアナの魂の入れ替わりの接点に近づけたような気がする。
■■■
俺は、マヤゴン魔術騎士団長と、散々迷った挙句、アーノルド殿下を集め、執務室で意見交換をすることにした。
「アーノルド殿下。急にお呼び立てして申し訳ございません」
「大丈夫だよ。大事な話なんでしょう?」
昔の口調では、堅苦しい言葉で会話をしていたが最近は、周りに人がいないときはとても親しみ溢れる言葉で会話をしてくださる。それが、とても信頼されているようで心地良かった。
マヤゴン魔術騎士団長もその後、入室してくると俺は昨晩、思い出した内容を二人に告げた。
「アーノルド殿下が昨日、描かれた絵のことで一つ思い出したことがあります」
「おい、なんだってそんなに真面目な口調なんだ?」
マヤゴン魔術騎士団長は、真剣に話す俺の表情で、重大な話が行われることを察知する。
「まぁ、私の話を聞いて下さい。昨日、アーノルド殿下の似顔絵を見て、どこかで見たような顔だなぁと思ったのです。他人の空似かも……とも考えました。でも、私は、この人物、つまりリアナに非常に似た女性を知っています」
「本当なのか?」
アーノルド殿下は一言も声を出さない。リアナとのつながりがわかるかもしれないと、期待しているような表情だった。
「えぇ。アーノルド殿下がお腹にいる時に皇后陛下の付き人にこの顔に似た人物がおりました」
「え?」
さすがに、アーノルド殿下もリアナに似た女性がこのラーン帝国にいたということを聞いて、驚いている。
「その人は……いまどこにいるの?」
アーノルド殿下はリアナに良く似た人物に会いたいような素振りを見せる。
「その方は……亡くなりました。アーノルド殿下がお生まれになった直後くらいではないでしょうか」
「……もうこの世にはいないのか……」
マヤゴン魔術騎士団長の口調も重くなる。
「ただ、ここで言えるのは、リアナに似た女性がこのラーン帝国にいて、しかも王城の中で皇后陛下の傍にいた……という点です。あの方がリアナご本人だったのか、リアナにとても近い血縁者なのかは……調べてみないとわかりません」
「そうか……リアナとアーノルド殿下は、何かしら接点があったということになるな」
「えぇ、そのようです。だから、今回のような入れ替わり現象が起きた可能性が高いと思われます」
マヤゴン魔術騎士団長と俺の話をアーノルド殿下は、静かに耳を傾けている。
「接点か……リアナ聖女に似た人が誰だったのか……名前と……どういう経緯でこのお城に来たか調べたいな。せめて母上がご存命だったら、聞けたかもしれないのに……」
アーノルド殿下の近くにいた人間、皇后陛下やリアナに似た人物はすでに亡くなってしまっている。それが悪意によるものなのか……それも含めて調べる必要があることに気がついた。
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