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111 見知った顔【side ライガーン】

 俺、ライガーンはアーノルド殿下が無事にラーン帝国に戻ってきてから、少し眠れるようになってきた。

 まだ魔力植物調査での犯人がわからないのだが……第一皇子派か第二皇子派の派閥によるものとしか考えられない。

 アーノルド殿下やシブロン第四皇子殿下が亡くなって、特するのは……その派閥しか考えられないからだ。


 アーノルド殿下の魂が戻って来られてから……驚くほど、よく笑顔を見せてくれるようになった。

 以前、無表情だったのが嘘みたいだ。


 きっと、ベルフォン王国でアーノルド殿下がリアナの代わりになったのも……何か意味があったのだと思う。

 その入れ替わり現象の原因もまだ特定できていないのだが……。


 夕食後、俺は明日の予定を告げるために、アーノルド殿下の私室に立ち寄った。


 ノック後、明るい返事があったので早速、部屋の中に足を踏み入れる。


(アーノルド殿下は……何をそんなに一生懸命眺めておられるのだ?)

「アーノルド殿下。明日の予定についてですが……」


 アーノルド殿下に話しかけると、殿下は手に持っていた紙を私に見せてくれる。


「見て!! 上手に仕上がったんだ! マヤゴン魔術騎士団長と一緒に時間をかけて描いたんだよ!」


 無邪気な笑顔で、手にした絵を見せてくれる。


(あぁ、今日は絵を描く時間を設けてありましたね)

 俺は、元のアーノルド殿下に戻ってから、以前行っていた習慣も行えるように時間を調整していた。


「それは……どなたですか?」


 俺は見覚えのない女性を見て、頭に疑問符が浮かぶ。


「これ! リアナ聖女なんだ! そうか……ライガーンは、ぼくの中身がリアナだとはわかっていたけれど、顔は見えていないからわからないのか」


 アーノルド殿下は、上手に似せて描けて喜んでいるが、俺はそもそもリアナ聖女の顔を知らない。

 でも、心の中に何かザワザワした感情が渦巻く。


(何だろう……この感じ……)

 俺は、この胸騒ぎの正体が何なのか、よくわからない。


「アーノルド殿下、恐れ入ります。私も手に取って拝見しても宜しいでしょうか?」

「もちろんだよ!! よく見てよ!! すごく上手に描けたんだから。マヤゴン魔術騎士団長もリアナがここにいるみたいだ!って褒めてくれたんだよ」


(そうか……マヤゴン魔術騎士団長には、やはりアーノルド殿下の中にいた人物の顔までしっかり見えていたということか……)


 俺は、アーノルド殿下から絵を受け取ると少し話してみてみる。


「んーーーー。どこかでお会いした気がするのですが……」


 俺が思ったことを口に出すと、アーノルド殿下はそんなことはないよと笑って答える。


「リアナ聖女は20年前から来たんだよ? まぁ、彼女がベルフォン王国に無事帰れているとしたら……今は36歳ということか……。でも、ラーン帝国までは遠いからさすがにやってきていないと思うんだけど」


(それも、そうか。もしあのまま無事に生きて戻れていたら、彼女は今、この時代にいるという可能性もあるということだ……でも、ちょっと違う。何かひっかかる)


「すみません。見た事あるような気がしたのですが、思い出せません。大切な絵を見せていただきありがとうございます、殿下」


 俺は、アーノルド殿下に絵を返すと明日の予定を告げて、その場を離れた。

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