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99 魔力植物調査 三日目② 【side ライガーン】

「リアナが……リアナが消えている!!」

「何だって?」

 俺は、予想していなかった言葉にマヤゴン魔術騎士団長と共に状況把握に努める。

 俺は真っ先にアーノルド殿下の傍に行き、もう一度、呼吸、脈を確認する。額の傷は、まだ治療前だがマヤゴン魔術騎士団長のおかげで俺が治療すればすぐに治せるだろうと思われた。


「じゃあ、今、目の前に眠っているのは……」

 俺は続きの言葉を発して良いのか迷う。

「おそらく、アーノルド殿下が戻って来られているのではないだろうか」


 マヤゴン魔術騎士団長の言葉に、再び出会えた喜びを噛みしめる。

 やっとお戻りになられた……20年前から。無事に戻って来られたのだ! もう二度と会えないのかもしれないと半ば諦めが心の中に僅かながらに思う時もあった。

 それが、こんな急に戻って来られるとは!! まだ、夢なのじゃないかと思ってしまう。

 そこで、また一つの疑問が浮かび上がる。


「それじゃあ、リアナはどこに行ったんだ?」

 俺はリアナという女性の行方が気になった。ここしばらく共に過ごしたのだから、知らず知らずのうちに情が沸いていた。

 全く笑わないアーノルド殿下の表情を豊かにしてくれていた、一人の女性のことを。

 彼女がアーノルド殿下に入り込んでからの、努力も見てきたし成長も見てきたつもりだ。本来のアーノルド殿下には及ばないが、彼女もアーノルド殿下に恥じないように努力をしていたのを俺は傍でずっと見てきた。

 だからこそ、彼女の無事も願ってしまう。


「わからない……。魂だけ消滅したのか……、元の20年前の身体に戻られたのか……定かではない」

「そうか……」

 彼女はどこに行ったのだろう。俺もマヤゴンも確実にどこに行ったとは言い切れず、何かモヤモヤとしたまま立ちすくんだ。


「確かに……明け方までは……ここにいたのは間違いない。リアナが毒と熱に苦しんでいたのは間違いない。数刻前まではここにいたんだ」

 マヤゴン魔術騎士団長は、自分でアーノルド殿下の傍に居続けたのに、リアナが消えた瞬間がわからなかったから、複雑な心境なのだろう。ましてや、腕に抱いていたのだから。

 いや、胸に抱いていたからこそ、彼女が去ったのを感じとれなかった自分に思うところがあるかもしれない。


「そうですか……。今は、彼女が無事、元の時代と元の場所に戻られていることを願いましょう」

「……そうだな。あとは、アーノルド殿下が目を覚まされたら、もう少し細かい状況が把握できるかもしれないな……」

「そうですね。ひとまず、アーノルド殿下が目を覚まされるのを待ちましょう」


 二人でアーノルド殿下の治療の続きを行い、俺は額の傷口を綺麗に回復魔法で治した。

 傷は残らないはずだ。

 どうやったのかはわからないが、マヤゴン魔術騎士団長が抜き取った毒の成分を抽出して、ベット横のたらいに溜めてくれていたので、その成分の分析も救護班の他の者に依頼をしておいた。毒の成分がわかれば、念の為、解毒剤も作れるし、マヤゴン魔術騎士団長が毒を抜き取ってくれはしたが、薬ができれば身体の内側からも毒消しを念の為に行っておくことも、後遺症に備えることもできるからだ。

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