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きいてもらいたいだけです。  作者: 秋河ナツコ
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ことものころ⑤

お兄ちゃんの反抗期が強くなってお兄ちゃんはいつも怖かった。

あれだけベタベタしていたおばあちゃんに怒鳴ったりするとようになって、押し入れの襖を殴って穴を開け、リビングの引き戸のガラスを何度も割った。3度割ってからおばあちゃんは引き戸をガラスじゃなくてプラスチックの板が入ったものに変えた。

お姉ちゃんもよく不機嫌だったけど、怒鳴ったりすることはなかった。

お兄ちゃんがおばあちゃんに怒鳴るとヨウコのお父さんがお兄ちゃんを怒鳴るようになって、おばあちゃんがヨウコのお父さんを止めるって流れが多かった。

お父さんは時々帰ってきてお兄ちゃんを叱ったり、ヨウコのお父さんとケンカしたりするようになった。

ヨウコのお父さんはその時よく言っていた。

父親なのになんで子供のそばにいないんだ。お前がそんなだからヒサシはこんなんなんだよって。

わたしは病気でお金かかってごめんねっていつも思っていた。

お兄ちゃんは時々優しかった。そしてだいたい怖かった。

お兄ちゃんが女の子といるのをみた時、誰にもいうなって言われた。

お姉ちゃんにこっそり相談したらほっとけばいいよって言った。

毎回違う女の子だった。

その頃、おばあちゃんはわたしたちに早くにこどもつくっちゃダメだってよく言うようになった。

お父さんとお母さんは自分も子供みたいな歳で早くにこどもをつくって結婚したけど、3人もこどもいて離婚したからって。

ヨウコのママとヨウコのお父さんも若い内に結婚して子供つくって結局別居してるからって。

おばあちゃんも若い時周りにとめられたけど、反対押し切って結婚して結局ダメで帰ってきたからって。

それですごく苦労したんだって。

そんなこと話すようになった。

逆にお父さんは早く結婚して孫みせてねってよく言ってた気がする。

おばあちゃんは明るくて元気だったけど、本当は疲れていたんだと思う。

子育てひと段落する頃に孫育てが始まってしまってずっと大変だったと思う。

そして真反対なことを言われてわたしの頭はこんがらがってしまった気もした。


読んでくださりありがとうございます。

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