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きいてもらいたいだけです。  作者: 秋河ナツコ
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こどものころ

最初の記憶は5歳の頃かな。

一緒に住んでいたイトコが幼稚園もうバスが来るのに全然起きてこなくて、おばあちゃんが怒っていた。

起きて支度する途中で怒られてるのも朝ごはんの味噌汁飲みながら眺めていたな。

結局イトコは朝ごはん食べながらおばあちゃんに髪の毛結ってもらっていた。



思えば変な家庭だった。

おばあちゃんとイトコとイトコのお父さん、お姉ちゃんとお兄ちゃん。

6人で暮らしていたの。

その時は何にも思わなかったけど、ドラマとかアニメで家族をみるたび、不思議だったな。

うちにはお父さんとお母さんがいなかったから。

別に亡くなったとかじゃないの。

お父さんとお母さんは離婚して、お父さんは出稼ぎに行ったからおばあちゃん家にわたしたちキョウダイが預けられただけなんだ。

お母さんの顔はわたしは知らないの。

お姉ちゃんとお兄ちゃんは知ってるんだって。

お家の壁にお姉ちゃんはお母ちゃんのばかって書いてある。

それ以降お姉ちゃんは母親の話をしないんだって。

わたしはお兄ちゃんとはあんまりお喋りしない。

お姉ちゃんもお兄ちゃんもわたしとはうんと歳が離れてる。

お姉ちゃんは遊んでくれるけど、お兄ちゃんは遊んでくれないからあんまりお喋りするときがない。

わたしの話相手で遊び相手はイトコのヨウコ。

ヨウコはひとつ歳上で同じ幼稚園に通っているの。

黄色の幼稚園バスを黄色のリュックにネイビーの幼稚園のお洋服着て、おばあちゃんとヨウコと朝お迎え来るの待つの。

ヨウコのお父さんとはお話しない。

朝起きてくるのはわたしたちが幼稚園に行った後だし、幼稚園から帰ってきたらお仕事行ってて会わないの。

でもお休みの日にはヨウコと遊ぶから、わたしの遊び相手いなくなっちゃうからさみしいかったな。

そういう時はお父さんのお部屋で宝探しするか、お人形遊びするの。

おばあちゃんはいつも忙しい。

お店でお客さんの髪のセットや着付けをしなきゃいけないし、6人分の洗濯やご飯の準備をしなきゃいけないから。

さみしいとかわがまま言っちゃいけなんだ。


読んでくださりありがとうございます。

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