小汚い二足の靴
穴が空き、小指が覗きそうな古びた革靴が、道路の隅に置かれてあった。
その置かれた靴を、出来損ないの靴屋の少年が見つけた。
少年「こんなところに、置かれて可哀想に....。今すぐ綺麗にしてあげるからね」
と、二足の靴を手に持ち、自宅の工房へと持ち帰った。
自宅の仕事場に着くと、少年は椅子に座り、靴を作業台に乗っけた。
そして、少年がテレビをつけた。
すると都知事が、記者会見をしている最中だった。
その内容は、外出禁止令というものだった。
それを見た少年は、ガクガクと震え出し、唇が青紫色に変色していった。
落胆とした少年は、小汚い靴を見ながら呟いた。
少年「もしかして、わたし捕まるの?」
そう呟くと、小汚い靴に体を隠した。
しかし、少年の頭は、上手く隠せたが、少年の尻尾は、破れた靴の穴から飛び出してしまった。
保健所の人「あの夏に、君は再び会ってくれるのだろうか?」