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魂を側に感じたら〜異世界上場会社を目指して〜  作者: 楽 我食
5 奴隷商人シガル

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83話 前の日

セーラのポーション屋に戻ると、2人は黙々と作業を進めていた。


「何か変わったことは?」


「特には。」


「そうか。」


「ゼロ様の方は?」


「手筈どおりだ。

後は、ジェンの分を獲得出来ればそれで完了ってとこか。」


「いざとなったら、切り捨ててやれば良いのよ。」


「ははっ。

そうか。

それもそうだな。」


フィーアの発言に笑みをこぼしつつ、俺も作業に加わった。

やることは単純で、とにかくポーションを大量に作っていく。

その後、出来たポーションやハイポーションに、ドン・ファンクの魔石とカプラ草を加えて低温でゆっくりと煮詰めていくだけ。

虫や植物でその効果を試しながら、3時間程度進めたところで、作業を切り上げた。

(思ったより順調だな。)


セーラのポーション屋を出て、広場へと向かう。


「2人とも渡しておくよ。」


「あら。」


「ありがとうございます。」


手渡した物は銀貨25枚づつ。

今月分の給料だ。


「それから。」


そういって、フィーアに銀貨20枚。

アインスに金貨1枚を手渡した。


「これって、、、」


「賞与だ。」


「こんなにいただけません。」


「私も流石に良いわよ。」


「受け取っておいてくれ。

謙遜もいらない。

これからも大変なことは続くだろうから。」


「じゃあ、、、遠慮なく!」


「では、、、私も頂戴いたします。」


「いつもありがとうな。

じゃあ、ギルドに寄ってハニーベアの残りを回収したら、フィーアへの件も報告しておこうか。」


「そうね。」


ギルドは昨日の件があったからか。

朝から人が溢れており、慌ただしい様子が見て取れた。


(レミアの姿は見当たらないな。)


受付には、普段は見かけない者も多くおり、急遽働ける者や奴隷を連れて来ているのだろう。

溢れた人混みの中を通り抜けて、ようやく受付の1人に用件を話すと、慣れない手つきで手続きを進める。


「ハ、ハニーベアの受け取りと、冒険者フィーア様への指名依頼の完了報告ですね?」


「はい。」


「しょ、承知いたしました。

それでは、あちらで報酬をお受け取りください。」


「支払いもありますよね?」


「あっ、そ、そうですね。

フィーア様への報酬とギルドへの支払いは、ここでお願いいたします。」


「わかりました。」

(大変そうだな。)


全ての手続きを終えると、今度は街へと繰り出した。


「明日から早速テルレ公国に向かおうと思ってる。

まずは、必要な物を買い揃えよう。」


「わかったわ。

ゼロはどうするの?」


「今は、単独で動くことはあまり好ましくない。

誰が狙って来るかも分からないからな。

それぞれの買い物にそれぞれが付き合おう。

荷物は、ゲートにも入れていきたいし。」


「そう。

じゃあ早速行きましょうか。」


「そうだな。

先ずは、食材からか?」


「何言ってるの?

まずは服でしょ!」


そう言うと、フィーアが向かった先は洋品店。

そこでは、既製品の下着や古着等がズラっと並んでいた。


「これも可愛いわね。」


「そうですね。

こっちなんていかがでしょう?」


「あっ。良いわね。

じゃあ、これはお揃いで。

すみません!これも追加で!」


「この下着もお願いします。

買い物が終わるまでに、詰めてもらって良いですか?」


そんなことを話しながら、2人は買い物を続けていく。

店に入ってから、既に2時間が過ぎようとしていた。


(長い、、、)


その気持ちが顔に出ていたのか、フィーアが俺に言う。


「ちょっと!

ゼロも選んでよ!」


「えーっと、、、」


「大体、私たちの雇用の条件は衣食住でしょ?

アインスの格好を見てみなさい。

衣が全然足りてないのよ。」


「フィーアさん。

私は、、、」


「遠慮しなくて良いわよ?

何せ、雇われてる側と雇ってる側が対等なんですから。

そうよね?」


「勿論だ。

遠慮なく言ってくれ。」


「ふふふ。

ありがとう。」


「ありがとうございます。」


(俺も下着は新しい物を買うか。)


その後も買い物は続け、やがて大量の衣服がレジに並ぶと、アインスとフィーアの満足気な顔が見れたので、何だか俺まで満足した。

お会計の際には、一瞬くらっとしたが。

それから食材を買い込み、レストランでは持ち込んだ容器に料理を入れてもらう。


「どうやって行くつもり?」


「うーん。

ゲートの中に2人を入れて、俺が走るってのが、一番早い気がするけど、、、

それは無いよな?」


「完全に無しね。」


「それはちょっと、、、

ゼロ様だけにご負担いただくのは。」


「私達にとってせっかく初めての遠出なんだし、道中楽しみましょうよ?

それに、そういう経験はきっと私達の役に立つわ。」


「それもそうか、、、

じゃあ、馬車でも借りるか。」


「荷物は全部ゼロのゲートでしょ?」


「そうだな。」


「それなら馬一頭の馬車でも良さそうね。」


「大丈夫か?」


「節約よ。

その代わり、天幕や中の寝具を買って、それにお金をかけましょうよ!」


(確かにそうか。)


ここに来てフィーアを雇用したことの良さを改めて感じていた。

彼女は俺に臆せずどんどん自分の意見を言ってくれるため、俺に新しい価値観や閃きをくれるからだ。

アインスのように気遣ってくれるのも勿論ありがたいのだが、こういった人物が側にいることにありがたみがあった。

何より素直なところに好感を覚える。


(レックスに気に入られてる理由もわかるな。)


帰りに再びセーラのポーション屋に寄り、ポーションをいくつか買わせてもらう。

作成途中のポーションを全てゲートに入れて、俺達がここに居た痕跡は消す。

留守中に何をされるかも分からないし、セーラに被害が及ぶことも避けたかったからだ。


(念には念を。)


そうして俺達は出発の準備を終えた。


いつも読んでいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いいたします。

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