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魂を側に感じたら〜異世界上場会社を目指して〜  作者: 楽 我食
5 奴隷商人シガル

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81話 真実

ギルド長の死体が見つかったのは、街の外れにある貴族街。

手足はグチャグチャに潰され、拷問を受けた後があったそうだ。

街はその報せを受けて大慌てとなり、特に冒険者ギルドの前には人が溢れ返って、噂が噂を呼んで新しい噂を湧き上がらせていた。


(シガルか?いやどうだろう。

レックスを殺すならまだわかる。

だが、なぜ今ギルド長を?

この件に、シガルは関係が無いのか?)


「ゼロ、、、ゼロ!!」


「ああ。

すまん。」


「さっきからずっと呼んでたのよ?

それで、、、どうするの?」


「そうだな。

ひとまず、今は何もわからないわけで。

俺たちに出来ることは何も無いしな。」


「シガルなのかしら?」


「わからない。

この件が俺たちにどの程度影響があるのかも。」


「それは、、、そうよね。」


朝から街中が騒がしく、捕まえた1人から聞いた今回の話。

一旦、広場に出た俺たちは、その様子を眺めながら話し合っていた。

しばらく沈黙が続いた後、フィーアが口を開く。


「ジェンのところに行ってみない?」


「うん?

急にどうしたんだ?」


「ゼロとジェンは話せるのよね?」


「あの場所に居ればな。」


「そうよね、、、

元々、私達のパーティーでは、彼が代表となって、シガルと何度か会っていたの。

それに、ギルド長とも会っているはず。

その彼なら、何かわかるんじゃないかと思って。」


「なるほど。」

(じっとしているよりかは幾分かマシか。)


「フィーアは良いのか?

その、、、気持ち的に。」


「ええ。

問題無いわ。」


「わかった。

じゃあ、みんなで【不死の森】へ行こう。」


「わかりました。」


アインスの了承を皮切りに。

すぐに俺たちは街を出た。

向かった先は、【不死の森】の入り口付近。

ジェンの宿り木の前。


「ジェン。

居るのか?

居るなら姿を現してくれ。」


その言葉にポゥッと現すその姿。


「居たのか。」


「ああ。」


「どこに居たんだ?」


「わからない。

あの時アイツに弾き飛ばされたと思ったら意識が無くなってな。

今、お前に呼ばれて意識が戻った。」


「そうなのか?

こっちは、あれから2日経ってるぞ?」

(誰かに呼ばれなければ消えてたのか?)


「そうなのか!?

あの後は無事だったんだよな?」


「ああ。

見てのとおりさ。

今日はお前に聞きたいことがあってな。」


「何だ?」


「端的に。

冒険者ギルドのギルド長が殺された。

俺たちはシガルが絡んでいるんじゃないかと疑っている。

何か知ってることは無いか?」


「ギルド長が、、、

そうか。」


「心当たりでも?」


「いや、どうだろうな。

有ると言えば有るかも知れない。」


「何だそれは?」


「一つ頼まれてくれないか?

その依頼の変わりに話すというのはどうだろうか?」


「依頼か、、、

内容は?」


「実はな、、、」


そう言ってジェンが懐から出したのは、ロケットペンダント。


「それ!

浮いているそれ!」


「どうした?

フィーア。」


「ジェンが大切にしていた、、、」


「ああ。

今、目の前にジェンが居るよ。」


ジェンはどこかバツの悪そうな顔で差し出している。


「これは、お前が持っていたのか?」


「ああ。

この場所で気付いた時に、落ちていた。」


(自分の思い入れがある物は、一緒に呼ばれるんだろうか。)


「これをどうすれば良い?」


「中を見てくれ。」


手渡された中を開いてみると、そこには綺麗な女性と幼い男の子の絵が入っていた。


「これは?」


「俺の家族だ。」


フィーアが横から覗いている。


「家族?」


「家族って何?

どういうこと?」


「フィーア。

ちょっと待ってくれ。

ジェン、、、

どういうことだ?」


そこでジェンは申し訳なさそうに語った。

フィーア達とパーティを組んだ時には、既に妻が居たこと。

今から5、6年前。

その妻との間に子供が産まれたこと。

その後、妻とのすれ違いが多くなる中で、フィーアに惹かれてしまったこと。

それを、そのまま背後のフィーアに伝える。


「最っ低ね。

本当に最低よ。」


「フィーアは気付かなかったのか?」


「残して来た家族が居るとは聞いてたわ。

でも、まさか、、、」


フィーアはどこに言葉を投げかけて良いかもわからず、下を向いてそう言う。


「騙してた訳か、、、

それで依頼の内容は?」


「2人は今、テルレ公国の都のミライに住んでいる。

この間、お前は俺の目の前でフォレストロトを取っていたよな?

つまり、俺が消えた後。

俺が存在することの出来ているこの木の根本から、フォレストロトが採取出来るんだろ?」


「確実ではないが、恐らく間違いないだろう。」


「全部とは言わない。

半分で良い。

それを売った金の半分をこいつらに渡してくれないか?

頼む、、、

何もしてやれなかったんだ。」


「お前はフィーアを騙してた訳だな?」


「それは、その通りだ。

本当に申し訳なく思う。

どうか、俺の願いを聞いてくれないか?」


「ふー。」

(良くもまぁこんなタイミングで。)


フィーアにそれを伝えると、フィーアは黙り込んでしまう。


「どうする?

こんな話を聞くために来た訳じゃないのにな。」


「本当にね、、、」


「フィーアが決めてくれて良いぞ?」


「いいわ。

じゃあ、この依頼受けましょう。」


「良いのか?」


「ええ。

彼がパーティを率いてくれたことは事実だし、最後に私を逃してくれたことも事実よ。

但し、これで全て終わり。

貸しも借りも全て無し。

これが終われば、あなたのことを思い出すことも無いわ。」


「だそうだ。」


「すまない。

フィーアには、本当にすまないと思っている。」


「じゃあ、先ずはこれを届けよう。

お前がどれほどの人間かも知らんが、先に金貨30枚程度は渡して来よう。

お前のフォレストロトが売れた時の差額があれば、それも渡す。

それに対するサインでも貰ってくれば納得するか?」


「ああ。

そうだな。それで良い。

あいつの字なら良く覚えてる。」


「フィーアもそれで良いか?」


「ええ。良いわ。

半額と言えど、フォレストロトを売るのだから、私たちにとって割の良い依頼になるわね。」


「じゃあ、そうするか。」

(たくましいねぇ。)


「すまない。

ありがとう、、、」


頭を下げるジェンを背にして、俺たちは再び街へと戻って行く。


いつもお時間いただきありがとうございます。

そろそろ、冒険者編のまとめに入りたいと思います。

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