表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂を側に感じたら〜異世界上場会社を目指して〜  作者: 楽 我食
5 奴隷商人シガル

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/106

80話 2人目

「紙を1枚下さい。」


「うーん。

安いのが良いかしら?」


(俺の服装を見て言ったな。)


「ある程度しっかりしている物があれば、それでお願いいたします。」


「うーん、、、

これなんてどうかしら?」


(手触りは悪く無いか、、、)


「ありがとうございます。」


「じゃあ、銅貨10枚ね。」


(紙1枚でだもんなぁ。まぁ、安い方かな。)


一瞬の躊躇はあったものの、ポケットから銅貨を出してそのまま手渡す。


「 1、2、3、、、

はい。確かに。

ありがとうね。」


「こちらこそ。

早速この紙に文字を書きたいので、軒先のテーブルを使っても?」


「ん?ええ。

良いわよ。」


「ありがとうございます。」


雑貨店の店主に許可を得た俺は、店の前に乱雑に置かれた、ワイン樽を再利用したテーブルの上に買ったばかりの紙を置いた。

ゲートの中から、インクと羽ペンを出すと、紙の上にスラスラと書いていく。


〜雇用契約書

雇用者:ゼロ

被雇用者:フィーア

期間:特に定めない

休日:週に1日

賃金:年間金貨3枚

賞与:12月にその年の実績を考慮して支払う。

その他:食事及び衣類、住居は雇用者ゼロが提供する。

雇用及び被雇用者は、それぞれ対等の権利を有するとする。


「これで本当に良いのか?」


「ええ良いわ。」


「冒険者の頃に比べれば随分安いんじゃないか?」


「そんなこと無いわ。

衣食住付きで、獲物を仕留めに行く時もゼロと一緒なんでしょう?

十分よ。」


「わかった。」


「本当に私と同じ条件で良いのですか?」


「当然よ。

私がアインスより多く貰う訳には行かないわ。

それに、私の結果次第では、上がるんでしょう?」


「ああ。勿論だ。

俺は、成果主義なんでね。」


「期待してるわ。」


「じゃあ、これで。

早速、神殿に向かおうか。」


昨日の夜、俺たちは色々なことを話した。

そこで、フィーアの能力やフィーアを雇用する条件ついても話していた。

それによると、フィーアは戦闘もある程度出来るそうなのだが、補助系の魔法が得意とのことだった。

それに、冒険者としての期間も長いため、蓄えられた知識にも期待出来た。

アインスより多い金額で契約することも考えていたが、フィーアはアインスと同額で良いとのことだった。


「本当にお金が欲しくなったら、自分でクエストを受けるわ。」


と、ワインを飲みながら笑顔で話していた。


ちなみに、俺がアノニムの魂を継承していることは、フィーアにとってストレスになるのではと気になったが、フィーアにとっては、特に問題は無いとのことだった。

そもそも、自分には何も見えていないから、アノニムの魂を継承したと言われても、あまり実感も湧いて来なかったそうだ。


(そこは、ひとまず安心か。)


しかしながら今、アインスの目から俺を見た際に、俺の背後に広がる光景は、凄いことになっているらしい。



神殿に向かうため、広場へと向かうと後ろから声をかけられた。


「フィーア!」


振り返るとそこに居たのは、商人ギルド長のレックスとその護衛達。


「レックスさん!

お久しぶりです!」


「おう。

元気か?もう、街は出歩けるのか?」


「はい!

お陰様で!

ご挨拶に行けずにすみません。

気にかけていただいていたようで、、、」


フィーアがそう答えると、レックスは顔をしわくちゃにして笑った。


「よかったな。」


「はい。

彼のお陰です。」


「そうだったのか!

恋人か?」


「何言ってるんですか。

彼は冒険者のゼロ。」


「おー。

冒険者のゼロか!

久しぶりだなぁ。

以前、少しだけ話したか?」


(少しだけね。)


「はい。

以前にご挨拶だけさせていただきましたね。」


「最近、頑張ってるらしいな。

頼まれた依頼は何でもこなせそうだ。」


「ご要望にはお応えいたします。」


「そうか!

今度ゆっくり話したい。

時間があったら一度商人ギルドに寄ってくれ。

渡したい物もあるしな。」


「かしこまりました。

時間を見つけた際には、すぐに伺います。」


「じゃあまた、、、」


「失礼いたします。」


「フィーア。

お前の元気そうな顔を見られて本当に良かった。

また、何かあった時にはよろしく頼むぞ!」


「はい!」


(全然キャラが違うじゃないか。)


フィーアに優しく語りかけると、颯爽とレックスは去っていく。


「いつから知り合いなんだ?」


「レックスさん?

以前、一度依頼を受けたことがあってね。

その時に。」


「そうか。

随分と仲が良さそうだったが?」


「仲良くなっておいて損は無いわよ?」


「そりゃそうだ。

考えておくよ。」


「それよりあなたも今度呼ばれてたじゃない?」


「何だろうな?

まぁ、楽しみにして行くよ。」

(シガルの商会の権利の話は、また今度話すか。)


「そうね!」


そうして俺たちは街の神殿に向かった。

銀貨1枚で契約書に公印をもらうと、その契約書がきらきらと光る。

前は気づかなかったのだが、押された公印には、何か魔力?のようなものを帯びている雰囲気があった。

早速、フィーアにサインをしてもらうと、契約のスキルを発動させる。


「これで完了だ。」


「よろしくね。

私の雇い主さん!」


「しっかり働いてもらうからな!」


「お手柔らかに。」


楽し気な会話が飛び交う帰り道。

冒険者ギルドへフォレストロトの報告と、ハニーベアの取り分を受け取りに行こうと考えたが、ギルド長が、ちょうどギルドから出て行く姿を遠目に捉えたため、またの機会にと改めた。

レストランで食事をした後は、セーラのポーション屋へと向かい、カプラ草を使ったポーション作りの製作。

気付いた時には、夕暮れまで没頭していた。



この数日。

充実した日々が続いていた。

楽しいと思うことが多かった。

油断していたと言われればそれまでかも知れない。

特に動きがないことは、良いことなのだと。

相手がこちらの動きに気付いていないのだと。

そうやって、どこか楽観的に構えていた自分がいたことは事実であった。



その晩、冒険者ギルドのギルド長が死体で発見された。


いつも読んでいただきありがとうございます。

過去の話の誤字脱字、改行、てにをは、一部表現の修正を段階的に行っております。

内容の変更は行なっておりません。


引き続きよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ