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魂を側に感じたら〜異世界上場会社を目指して〜  作者: 楽 我食
5 奴隷商人シガル

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75話 語り部


上等なマントに、高そうな防具。

腰には魔道具と思わしき剣。

周囲の中で一際太い木の前に姿を現した男は、いかにも高ランクの冒険者という風貌であった。


「色々と聞きたいことがある。

まず、お前はどうして俺が見えるんだ?」


待ちきれないとばかりに男は口を開く。


「まぁ、そういうスキル?があるみたいでな。

見えるしこうやって姿を現して貰えれば話すことも出来る。」


「おおっ!?

本当にそうなのか、、、

いや、実際。

でも、そんなスキルは聞いたことも無いが、、、

それにしても、なぜフィーアと一緒に行動しているんだ?」


「詳しく説明するよ。

とりあえず、お前は冒険者のジェンで良いんだよな?」


「ああ!!そうだ!

良く知ってるな。

この辺まで名前は届いていたか。

そう思うと感慨深いな、、、」


「あ〜。

まぁ、そうだな。」

(ある意味噂になっていたのは事実か。)


この街に来る時に、ランクA冒険者が全滅した話を馬車の上で聞いたことを思い出した。


「フィーアから話を聞いていたということもあるしな。」


「そうか!!

フィーアが、、、

まだ、俺のことを覚えてくれていたんだな、、、」


俺が首を縦に振ると、ジェンは続ける。


「何か言っていたか?」


「お前が恋人だったとは聞いたよ。

後は、自分だけ逃げたことも言っていたな。」


「それは仕方が無いさ、、、

俺たちは冒険者だからな。

自分の生命は何よりも優先だ。」


「だが、お前は自分の生命より優先したんだろ?」


「ああ。

あの時は無我夢中でな。

気付けば叫んでいたよ。

だから、嬉しかった。

今日、あいつの姿を再び見れたことは。」


「それで付いて来たのか、、、

この森で、フィーアを探していたんだな?」


「そうだな。

"アレ"から逃げられるとはとても思わなかったが、どのような形であれ、何とか生きていてくれればとは願ったさ。」


「それがお前の未練か。」


「いや、、、違うな。」


「何だ。

違うのか?」


「ああ。

それとは別だな。」


「色々ある訳だ。」


「まぁな。

それより、なぜお前がフィーアと一緒にいるのか聞かせてくれないか?

そもそも、お前が誰なのかということも含めて。」


「ああ。

そうだったな、、、

良いよ。話せることだけ話そう。」


一呼吸おいた後、俺は自分のことやここに至るまでの経緯を目の前の男に語った。


現在、俺がランクBの冒険者であるということ。

偶然、誰とも喋れなくなっているフィーアと出会ったこと。

それは、フィーア達を襲った魔族のせいであったこと。

その魔族は偶然にも俺が既に殺していたこと。

それがきっかけで今はフィーアに仕事を依頼していること。


ジェンは何度も繰り返して聞くので、何度も同じ話を繰り返して話した。


「信じられん。

あれを殺せる奴が居るとは到底思えない。

居るとするならSランク。

ましてや、ランクBだったか?お前。

考えられない。

絶対にあり得ない。」


「まぁ、信じられなくても、それが事実だからな。」

(Sランク?)


「間違えてるんじゃないのか?

それか嘘か。

そもそもどうやってお前が殺した魔族と俺たちを襲った奴の繋がりがわかるんだ?」


「ふー。

疑われてもなぁ。」

(こういう時には、ミアの魔眼が本当に欲しいよ。)


「もし、その嘘でフィーアに近付いたのなら許さんぞ!」


「じゃあ、証拠を見せよう。

それでいいだろう?」


「証拠だと?」


「ああ。

自分で確かめた方が早いだろ。

付いて来いよ。」


「付いて来い?

わかった、、、

いいだろう。」


(一度、寄ってから向かうか。)


再び虹の玉へと姿を変えたジェンを引き連れて野営地とした場所へと戻ると、そこには1人で火を見つめるアインスの姿が。


「お帰りなさい。」


「もう少し警戒してた方が良かったんじゃないか?」


「遠くからでもゼロ様と分かりましたよ。」


「そうか。

スキルの関係か?」


「それも勿論ありますけど、何故か日に日に強くゼロ様を感じることが出来るようになっている気がするんですよね。」


「不思議な話だな。」


「嬉しい不思議です。」


「そうか。

その言葉が嬉しいよ。」


「ゼロ様の分を残しておいたのですが、食べられますか?

すぐに温めなおしますが。」


「いや、帰ってからもらうよ。

折角作ってくれたんだ。

味わって食べたい。」


「ふふ。

わかりました。」


アインスの横に置かれた鍋。

その中に見える焼かれたドン・ファンクの肉が俺の胃袋を叩いたが、グッとこらえてゲートに仕舞い込んだ。


「フィーアは?」


「あちらで。」


(眠っているか、、、)


「何だかんだと言いながらこんな場所で眠れるのは流石だな。」


「気になられますか?」


「いや、他意はない。

ランクBの冒険者だもんな。」


「はい。

ちなみにゼロ様はこの国最速ですけどね。」


「ありがとう。

何だか、自分を褒めることになってしまったな。」


「当然です。

それよりも、この後は?」


「そろそろ次の目的に向かおうと思う。」


「セーラさんのところでおっしゃっていた野暮用ですか?」


「ああ。そのとおりだ。

アインスも準備をしてくれ。」


「承知しました。」


立ち上がったアインスの肩をポンっと叩き、フィーアのもとへ向かう。


トントンッ


「んっ。」


「起きたか?」


「あれ?

ゼロ?」


「眠れたようだな。」


「ん〜。

3時間くらい眠れたかしら?」


「ああ。

ちょうどそれくらいかな。

強張りはとれたか?」


「ありがとう。

ようやくこの場所に戻って来れた気がするわ。」


「そうか。

じゃあ、準備をしてくれ。

次の場所に向かおう。」


「どこに行くの?」


「きっちり、全て終わらせに行こうか。」


いつも読んでいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

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