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魂を側に感じたら〜異世界上場会社を目指して〜  作者: 楽 我食
4 残された者

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68話 お出迎え

ギルドから3人で屋敷へと戻る途中、大きな荷物を抱えて歩く宿の女将さんと出会す。


「荷物を預かりますね。」


「あら。

ありがとう。」


ゲートの中に荷物を入れると、主人と女将さんが話し出した。


「すまなかったな。

ありがとう。」


「別に良いわよ。」


どうやら、奴隷を1人と、近所にあるライバル店の宿屋にお願いし、従業員を1人借りることが出来たらしい。

今晩、ドン・ファンクを訪れた客は、優先的に近所の宿屋に案内するという条件付きなのだそうだが。


「急な依頼で色々とすみません。」


「ふん。

全くよ!

私にとっては良い迷惑だわ。」


そう言いながら、どこか嬉しそうな女将さんの顔を俺は見逃さない。


「本当にありがとうございます。」


屋敷へと到着すると、先ほど見かけたマグガーラを始めとする職人たちの姿は既に無かった。


「お帰りなさいませ。」


「ああ。

アインス。悪かったな。」


「いえ。」


「マグガーラ達は?」


「皆さまご家族を呼ばれるとのことで、一度帰られました。

ご一緒に来られたということは?」


「ああ、、、

期待して良いぞ。

今日は最高の食材に、最高の料理人達だ。」


「それは、楽しみですね。」


アインスは静かに、ふふふ。と笑う。


「嬉しいか?」


「はい。ゼロ様が大変嬉しそうですので。」


「そうか。」

(顔に出ていたか。)


「ゼロ。

この美しい人は誰だい?」


「ああ。

紹介するよ。

彼女はアインス。

俺の下で働いてくれている。」


「初めまして。

アインスと申します。

本日はよろしくお願いいたします。」


「そして、こいつはベッシュ。

宿屋ドン・ファンクの息子で


「最高の料理人を目指しているんだ。

よろしく。

それにしても、アインス。

何て綺麗な響きだ。」


俺の話を遮ってベッシュが手を差し出す。


「よろしくお願いします。」


それに対し、アインスは頭を下げるだけであった。


「ベッシュ!!

さっさと行くぞ。

ゼロ。案内してくれ。」


「かしこまりました。」

(また、顔に出てるかもな。)


アインスと俺が先頭に立って3人を屋敷へ。


「大勢来られると思いますので、応接室も使いたいと思います。」


「ああ。わかった。」

(明日は、街で何人か雇って、掃除でも頼むか。)


3人を綺麗に整えられたキッチンへ案内し、ゲートから預かっていた調理器具や、食材を取り出す。


「何か手伝うことはありますか?」


「無い。

黙って待っておいてくれ。」


(待っている間に場所の用意でもするか。)


「うちのは、こうなったらダメだからあんた達は部屋でいちゃついてな。

皿やテーブルの用意なんかはあたしがやるから。」


「はぁ。」


「人が結構来るんだろ?

じゃあ、立食形式にしようかね。

まぁ、任せときな!!」


「わかりました。

じゃあ、アインス。

しばらく待ってるか。」


「そうですね。

今の内にゼロ様に屋敷の案内をいたしますね。」


「ああ!!

頼むよ。」


そう言うとアインスは、改修の終わった屋敷の中を進み出す。

もちろんある程度の把握はしているが、完成をひとつひとつ自分の目で見ることは楽しかった。


一階には、広々としたキッチンがあり、廊下を挟んで応接室とダイニング。

2つの部屋は扉で隔てられているだけのため、自由に行き来出来る。

ダイニングには真ん中にテーブルがいくつも連なっており、1つの大きなテーブルの様になっていた。

(会食も出来るな。)


そして、廊下を進むと、風呂場とその奥に俺たちの寝室。

風呂場に関しては、マグガーラに頼んだとおり、フォレストロトの材料が扱われ、まるで檜風呂の様な光景であった。

5,6人であれば優に入れるか。


「水は外に雨水を蓄えるタンクが設置されており、そこから水を流し込めば、後はこの木に魔力を流し込んでお湯にすることが出来ます。」


「良いなぁ。」


「はい。

また、タンクからの水道にもフォレストロトの材料が使われているそうで、水を出すこのレバーを回す際に魔力を込めることで、最初からお湯が出すことも出来るそうです。」


「おお!!」

(瞬間湯沸かし器方式か!!)


「私には仕組みが良く分かりませんが、、、」


「わかった。」

(流石はマグガーラ。)


「後は、トレスさんに頼んだらどうだ?ともおっしゃっておられました。」


「なるほどね。」


続いて2階へ。

俺の執務室や倉庫に書庫、トイレといったものも1階にあったが、後で見ることにした。


「この様になっております。」


2階は、かつて奴隷達の住む部屋として扱われており、小さな部屋が沢山あったが、2つの部屋を1つに繋げ、広い客室が並ぶようになっていた。


「良いなぁ。」


「そうですね。

この広さなら、3人家族くらいなら楽に泊まっていただけますね。」


アインスの案内が終わった頃、一気に暗がりへと沈んだ冬の空に、逃げ遅れたオレンジ色がわずかに遠くに残っていた。


廊下や部屋のランプへ一斉に火の魔法をかけていく。

(ゴブリンとコボルトの魔石でも明るさが結構違うな。)


普段は一斉に灯りをつけることも無いので、隣同士で見比べることも無かったのだが、改めて見ると、こういうところにも、魔石の質の差が出ていることを実感した。


そして、厨房からはちきれそうな程にパンパンに膨らんだ匂いが、徐々に漏れ始めている。

アインスとにやにやしながら、庭のランプにも灯りを照らしていた頃。


「来られましたね。」


「ゼロ!!開けろー!!」


嬉々とした声が、庭に大きくこだました。

いつも読んでいただきありがとうございます。

年末年始は可能な限り更新したいと思います。

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