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魂を側に感じたら〜異世界上場会社を目指して〜  作者: 楽 我食
4 残された者

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67話 昇格


忙しそうなベッシュに、宿屋の酒や食材をいくらか買い取りたいことを伝えると、快く承諾してくれた。

ただし、それだけでは心許ないこともあったので、近くの酒場へ赴き、酒やその肴の物色をする。

しかし、折角という気持ちが先走り、良い年のワインや高いビール。珍しいチーズ等を中心に買い揃えたところ、銀貨50枚近くとなったので、支払いの際には流石に反省することとなった。

(まぁ、散財する機会も無いしな。)


深々と頭を下げる酒屋の店主を尻目に、大量の買物をゲートの中に放り込むと、結局、待ち合わせの広場に戻ったのは、きっちり1時間後で、宿屋の主人とその息子のベッシュが荷車いっぱいに荷物を乗せて待っていた。


早速、俺のゲートの中に入れようとしたが、2人とも半信半疑であったため、実際に、一度入れた食材をすぐにゲートから出して見せることで、了承を得た。

但し、包丁に関しては2人とも拒んだ。

そこはやはり、料理人だからであろうか。


ちなみに、宿屋の酒や食材は言い値で買い取らせてもらったので、追加で銀貨10枚が出て行った。


「女将さんは?」


「ああ。

色々とすることがあってな。

後で、直接お前の屋敷に向かうみたいだ。」


(そりゃそうだよな。)


無理をお願いしているということは、紛れもない事実だと改めて実感しながら、3人でギルドへと向かった。


「先程ぶりです。」


レミアが和かに話しかける。


「宿屋のドン・ファンクの方々を連れて参りました。」


「はい。

存じ上げております。」


「ギルド長は?」


「いらっしゃるのですが、来客中で混み合っているようでして、、、

言伝をお預かりしております。」


「何でしょうか?」


「はい。

2つございます。

1つは既にギルド長から伺われているとのことですが。」


「頼みごとのことですかね?」


「はい。そのことかと思われます。

具体的には、今回のドン・ファンクについてなのですが、ギルドの取り分である、魔石以外の9割を、ゼロ様の空間魔法の中で預かっておいて欲しいとのことです。」


「ほう。」


「何か追加での謝礼はございませんが、その変わりに、ゼロ様の取り分である1割に関しては、好きな部位を指定して良いとのことです。

また、ゼロ様であれば引き受けてくれるだろうと、ギルド長がおっしゃられてました。」


「なるほど。

期限はどれくらいですか?」


「いえ。そこまでは。

恐らく折角の魔物ですので、腐敗を恐れてでは無いでしょうか?」


「わかりました。

それについては、快く引き受けさせていただきます。

もう一つは?」


「はい。

今回のギルドへの貢献を評し、また、現在のギルドポイントも勘案した結果、昇格時期の手前ではございますが、このタイミングでBランクへの昇格が決まりました。

早速、手続きにうつられますか?」


「ありがとうございます。

後で良いですか?

先にこの2人を解体場に案内したくて。」


「はい。

結構です。」


「進捗状況はいかがですか?」


「私も見ていないので分かりませんが、解体作業はかなりの人数で行ってますので、それなりに進んでいるとは思いますが。」


「わかりました。

今日、取り分の一部を持って帰っても良いですよね?」


「はい。勿論です。

重さだけ量らせていただきますが。」


「結構です。

それじゃあ、2人を案内してまた戻って来ますね。」


そうして再び解体場を訪れると、既に皮は剥がれ、脚やそれぞれの部位ごとに枝肉となったドン・ファンクの姿があった。

また、数人の魔法使いが呼ばれており、水の魔法で血を流していた。


「こいつが、、、」


「良いねぇ。」


感極まる宿屋の主人と、興奮を抑えきれない

ベッシュ。

どこか対照的な2人の姿が俺には、をかしかった。


「先ほどの話を聞かれてたかと思いますが、部位はどこでも良いそうなので、適当に見繕っていただければ。」


「わかった。

責任は果たす。」


「ゼロ。

まぁ、俺と親父に任せてくれ。」


「わかった。

よろしく頼むよ。」


そう言って受付に戻ると、再びレミアに声をかけふ。


「ゼロ様。

それでは、ギルドカードをお預かりいたしますね。」


「ちなみにランクBになれば、何か変わることはあるんですか?」


カードを渡しながら、ふと湧き出た質問をぶつける。


「基本的には、報酬の割合が変わるということと、ギルドや貴族からの指名依頼が一気に増えることだと思います。

また、専属へのオファーもあるのでは無いかと。」


「なるほど。」

(専属は俺には関係無いな。)


「特にゼロ様は最速でBランクまで上がられたことと、その実績も鑑みますと、かなりのオファーの数があるのでは無いでしょうか?」


「それはまた厄介ですね。」


「厄介ですか。

普通は嬉しいはずのことなんですけどね。

他には、ランクBのカードを見せるだけで、どの街や国に行った時も待遇が数段変わると言われています。」


「なるほど。

かなりの価値があるということですね。」


(テルレ公国での指名依頼が無かったら、Bランクまでの道のりは遠かっただろうな。)


「Bランクについては良くわかりました。

慎んで受け取らせてもらいます。」


受け取ったギルドカードには、Bの文字が煌びやかに刻まれており、俺の気持ちを高揚させるには十分過ぎるものであった。


その後解体場へ戻ると、そこには、作業員達と熱心に話す2人の男の姿が。

いくつか部位を指定したのか。

大きな箱に入れられた様々な形の肉は、50kg近くありそうだった。

実際に肉の重さを測ってもらい、それを受け取ると、レミアに報告をして、ゲートの中に仕舞い込む。


(いよいよ準備が整った訳だ。)


いつも読んでいただきありがとうございます。

評価、ブックマークありがとうございます。

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