28話 返って来た報酬
翌日
8時にマグガーラ達を迎える為に、門を開けにいくと、そこには8台程の馬車と、大量の馬が停まっていた。
(来たか!?)
門を開くと、全身に煌びやかな衣装を着た1人の男が、馬車から降りて大きな声で話し出す。
「ゼロの屋敷で間違いないか?」
「はい。間違い無いです。」
(もう少し声のボリュームを考えろよ。)
「今日は、お主が見つけたフォレストロト及びそれに附随する物を渡しに参った。」
「ありがとうございます。」
「なお、国王陛下より御言葉を頂戴している為、ここで読み聞かす。
膝をつけ!」
「はい。」
(朝からテンションが高いな。)
「此度のフォレストロトの立て続けの発見、誠に良くやった。今後もお主の活躍が、この国の更なる発展に繋がる事を祈るばかりである。
以上!」
「有り難いお言葉。感謝致します。」
(短い。)
その後、数十人の護衛と、馬車から現れた十数名の奴隷が、俺への報酬を庭へと運び込む。
「それでは、1つづつ説明をさせてもらう。」
「よろしくお願い致します。」
「先ずはNO.151。これに関しては、実物を希望という事だったので4分の1のフォレストロトを渡す。」
(ゼンの木のフォレストロトだ。)
「また、それに付随する木はこれだ。」
「ありがとうございます。」
「このフォレストロト、NO.151の特徴だが、現段階でわかっている事は、身につけた者のパワーを数段上げるという事だ。
中々珍しく、大変貴重な物ではあるが、その4分の1がこのようにお主のような者に手渡、、、
(パワーが数段上がる?鬼の力の影響か?単純にパワーが上がるだけなら、アインスでも使えるな。)
「聞いておるか?」
「はい。聞いております。」
「続いて、NO.151の上に生えていた木に関する事だが、この木自体が魔力に反応すると、熱を放出する木であり、大変珍しいため、国が4分の1をいただいた。」
(おいおい。勝手に、、、まぁ、全部取られるよりましか。)
「続いてNO.152に関しては、金銭だったな。金貨30枚を渡す。」
(トッドの分だな。)
「これは、どのような特徴だったんですか?」
「これに関しては、特に特徴は無かったそうだ。木に関しては、契約のスキルに対する反応があったため、継続して調査を行う為に4分の1を国がいただいた。」
(フォレストロト自体も50センチメートル程と小さかったしな。
しかし、やはりというか、宿り木としている魂の影響がかなり大きいようだな。)
「NO.153に関しても金銭だな。これに関しては、金貨220枚を渡す。」
(カンのフォレストロト。金額が大きいな。フォレストロトの大きさに比例するのか?)
「へぇ。何か特徴が?」
「魔力に反応して、物を引き寄せる様な特徴が見られた。
木に関しても同様の為、今後の調査も考えて国が4分の1をいただいている。」
「わかりました。」
(結局、木に関しては4分の1が取られる訳か。)
「これで以上である。」
そう言うと男は颯爽と馬車に乗り込み、大量の馬車や馬が去って行った。
「言ってた奴が来たのか?」
振り返ると、そこにはマグガーラが立っていた。
「おはようございます。その通りです。」
そう言うと、マグガーラに木を見せる。
「これが、、、」
「はい。今回屋敷の改修に使っていただきたい木です。」
「特徴は?」
「この木自体が、魔力に反応すると熱を放出する様です。」
俺が手を置いて魔力を込めた後、マグガーラが触ると驚いた表情を見せる。
「凄いな。」
「これを使うなら、お風呂かと思ったんですが。」
「なるほど。確かにな、、、これについては、少し考えさせてくれ。」
「わかりました。お任せ致しますので。」
そう伝えると、顎に手を乗せたマグガーラを残して屋敷へと戻る。
朝食に、昨日のスープの残りと、買ってきたパンを焼き直したものが用意されていたため、テーブルの椅子に座っていただく。
「アインス。今日も休みだろ?朝食の準備ありがとう。」
「いえいえ。こちらこそお休みをありがとうございます。
今日もこの後、街を散策させていただきます。」
「おう。気をつけてな。」
「はい。ゼロ様は?」
「俺は、マグガーラにフォレストロトを加工出来そうな職人を聞いて、その後ギルドに木を渡しに行くよ。」
「承知しました。ゼロ様もお気をつけて。」
そう言うと、アインスは鼻歌混じりに、自分の食器を片付けて、屋敷を出て行った。
何やら、昨日の買い物が楽しかった様で、今日も色々見て回るそうだ。
朝食を終えた俺は、マグガーラの基へ向かう。
「どうした?兄ちゃん。」
「職人ギルドの中にフォレストロトを加工出来る人は居ますか?」
「フォレストロトか。最後のナンバリング何かは依頼される事もあるが、材料を直接加工するってなると、難しいなぁ。」
「そうですか。」
「街の外れに魔道具を作っているトレスって奴の工房がある。一度そいつに聞いてみな。
俺からの紹介と言えば断られないはずさ。」
「トレスさん。どの様な人なんですか?」
「魔道具を作る奴は、職人の技術を持っていながら、魔法にも精通している必要がある。
その中でも奴は天才でな。
決して安価では無いにも関わらず、トレスへの依頼は後を絶たない。
偶に国外からも依頼が来る程だ。
奴自身も、自分の能力に圧倒的な自信を持っているから、気に入らない依頼は例え貴族であっても断っている。」
「なるほど。」
「何でそんなに詳しいかって?」
「はぁ。」
(良く喋るな。)
「トレスは俺の義理の弟なんだよ。」
「え!?マグガーラさん結婚してるんですか?」
「してたら悪いか?」
「いえ。そういう訳じゃ、、、
とにかく、ありがとうございます。
早速行ってみます!!」
マグガーラに殴られる前に、ゼンのフォレストロトと、トッドとカンの木を持って、屋敷を出た。
ギルドに着くと、今日も変わらずにレミアが居た。
「おはようございます。ゼロ様は今日はどの様なご用件で?」
「フォレストロトの木を納品しに来ました。ギルド長は居ますか?」
「話はギルド長から伺ってます。本日は1日不在ですので、中庭に置いていただければ結構です。」
「わかりました。それぞれの特徴については良いですか?」
「そうでしたね。それだけは伺っておきます。」
そうして、レミアにそれぞれの特徴を告げると、中庭に木を置いてギルドを後にした。
4分の1が国に取られた事を告げると、いつもの事だとレミアが笑っていた為、ギルド長に小言を言われる心配が無くなったので安心した。
(さて、時間もあるし、次はトレスの基へ向かうか。)
街の外れにあると言われるトレスの工房へ足早に向かう。
いつも読んでいただいている方ありがとうございます。
引き続きよろしくお願い致します。




