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魂を側に感じたら〜異世界上場会社を目指して〜  作者: 楽 我食
6 商人

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106/106

106話 弟子

 コンコンコンッ


 扉の向こう側からは相変わらず返事が無く、俺は書いてきた手紙をドアの隙間から投げ入れる。


 グランの街に戻って再び訪れた場所はセーラのポーション屋。

 きっと俺の居ない間に色々とあったのだろう。

 店はもうずっと閉まったままになっていた。


ーーとりあえず手紙は入れた。

 後は反応を待つだけか。


 夕暮れ時にまた来ると。手紙の中には名前とそれだけを書いて。

 街でやることはまだまだある。次の目的地に向かうため、踵を返して歩き始めると、うるさいくらいの大きな声が背後から聞こえて来た。


「おい!ゼロ!」


 そこには変わらないあの男の姿。


「お久しぶりです。

マグガーラさん。」


「おう。

帰って来てたのか。」


「ええ。

そんなことより僕と話してて大丈夫ですか?」


 マグガーラが大きな声で俺の名前を呼んだものだから、周囲の視線が自然と俺たちの方へと集まった。


「良いんだよ。

噂は聞いてるが、仕方ないだろ?

それぞれに立場ってものがある。

どちらも自分の正義をかざしてるんだ。

戦争なんてものは、起こるべくして起きてるってことさ。」


ーーありがたいな。


 変わっていくものがあるからこそ、変わらないもののありがたみに気付くんだろう。

 マグガーラの変わらない態度は少なくとも、俺のポケットの中の感謝を膨らませた。


「街はどうなってるんですか?」


 その質問にマグガーラは一転して難しそうな顔をする。冒険者で活気に溢れていたこの街であるが、ドゥーエから聞いていたとおり、その冒険者達は今やほとんど姿を表さず、街はすっかり人通りが少なくなったようだ。

 それに、新しく冒険者ギルド長となった者も貴族達の推薦を受けた者であるため、この実情に対して何かを変えるというよりも、貴族達の指名依頼がこれまで通り滞りなく進められることに注力しているそうだ。

 そのため現在は、指名依頼以外は受け付けられておらず、冒険者ギルドはほとんど動いていないに等しい状態だと言う。


ーーレックスの言ったことは本当だったか。


「ゼロ!

また、お前の獲った魔物にあやかりたいもんだがな!」


 ガハハッと笑ったマグガーラ。


ーー作り笑いが下手な人だ。

 誰が見ても無理に笑ったと思うだろう。

 マグガーラは職人ギルド長。街のことを気にするのは当然のことか。


「職人ギルドも大変なんですか?」


「まぁ、そうだな。

良いとは言えねぇな。

依頼は確実に減ってる、、、

また、良い話があれば持って来てくれよ!」


「分かりました。」


 頭を下げながら、思考を張り巡らせていた。

 冒険者の街として栄えた街が、今はひっそりとしてしまっている。

 つまり。これは。

 1つの商機と考えるべきじゃないかと。

 

「そういえば、そちらのお方は?」


 マグガーラの隣に立っていたのは、細身の綺麗な茶髪の女性。


ーーまさか不倫相手じゃないよな。


「こいつか?

こいつは、俺の弟子だ。

名前はシャスチ。

建物の設計をしてる。

女だがな、そこらへんの男より遥かに優秀で、斬新なアイデアを持ってる。」


 女の職人。それも珍しいが、マグガーラがここまで褒めるとは。

 余程の実力なのだろう。


「初めまして。

ゼロさん。

お噂はかねがね。」


「初めまして。

女性で職人とは珍しいですね。」


「ええ。

父親の影響で。

それよりも、前回のゼロさんの依頼に関われなかったのが残念です。」


「そういえば、お見かけしませんでしたね。」


「貴族の依頼で隣の街に行ってたんです。

貴重な魔物の肉。

私も食べたかったです。」


 残念そうに肩をすくめた目の前の姿に、思わず言葉が口を飛び出した。


「また、食べられる機会はありますよ。」


「え?

本当ですか?」


「ええ。

タダでとは言えませんが、何か依頼を受けていただきましたら、その御礼に。」


 そう言うと、シャスチは前のめりに俺の手を握る。


「是非!

今度、建物を建てられる時は私を指名してください!!

格安でやりますので!」


「ええ。

分かりました、、、」


 その勢いに圧倒されて、マグガーラの方を見ると、頭を抱えてる。


「ったく。

そんな約束をして。

お前は売れっ子なんだから、貴族からの依頼も断ってる状況だっつうのに。」


「だって、仕方ないじゃないですか〜。

私だけ食べれなかったんですから。

ギルド長は、ハニーベアやら、ドン・ファンクやらを食べれたんでしょ?」


「まぁ、それは、、、」


「ズルイですよ!!

そんなの、お金を払っても食べられないんですから!

だからゼロさん!!

約束です!

次のご依頼は必ず、私シャスチまで。」


「ゼロ。

まぁ、そういうことだ。

ほら、もう行くぞ!」


「はーい。」


 そう言って2人は目の前を去って行く。

 マグガーラが言い負かされている光景は、初めてみたので驚きだった。


ーーそれにしても、シャスチ。

 こいつとの出会いはラッキーだったかも知れない。


 広場の端で物乞いをする子供を見ながら、俺は次への可能性を感じていた。



色々で更新出来ず、、、

また、今週から頑張っていきます^_^

よろしくお願いいたします。

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