開店します
1話完結もののを書いていくつもりです
BAR「ラビット」は、「人ならざるものの街」略して「人街」の街にあるどこか懐かしい雰囲気を漂わせるBARだ。
この街は、何十年も前に「人間と人外との共同社会実現法」により、社会に「人ならざるもの達の居場所としてこの街を作ったが、当時は賛否両論あった。しかし世に言う「妖怪」と呼ばれていたもの達や、超能力やそれに近い力を持ったもの達にとってこの法は人と人ならざるもの達との理解の第一歩になったのではないかと、俺は個人的に思う。
まぁ今は迫害されずに、人外でも堂々と街を歩けるし、起業して世界とやりとりしたり、国を担う仕事に就くやつもいる。俺のようにこうして店を持つやつや、人間と結ばれるやつなど、様々な可能性と夢があるいい時代である。
この街も観光の一部として人気があり、人外以外にも人間の通りが増えた
カラン カラン
扉につけられてるベルの音がなり、長い金髪をゆるくまとめた、ブランド物のスーツをモデルように着こなす男、常連の仁が店に入って来た
「やぁマスター、もう空いてるかな?」
「今開店した所だよ」
俺はそっけなく答える
仁はスーツのズボンのポケットからスマホを取り出し、カウンター席に座る
「マティーニを頼むよ」
スマホの画面を見つめながら仁は早速注文する
「・・はいよ」
俺は不思議に思った、確か仁はいつもテキーラから頼み、何故か締めにマティーニを飲むはずだ
「今日はマティーニからだなんて、珍しいこともあるんだな」
俺は疑問を口にした
「え?ああ、これからちょっと一仕事あってな、場所がラビットの近くだから、一杯飲んで行こうと思ってな」
「仕事前なのに飲むって、お前馬鹿だろ?」
マティーニの入ったグラスを仁の前に起いた
「あっはっは、マスターは相変わらず厳しいねぇ、見た目は兎で可愛らしいのに」
「ほっとけ」
俺はあまり見た目のことを言われるのは好きではない
「そう睨まないでくれよ、飲んでなきゃやってられないのさ、(ゴクッ、ゴクッ)プハー、ご馳走さん。次来る時はテキーラよろしくマスター」
仁は一気に飲み干したマティーニのグラスをカウンターにおき、側にお金を置くとさっさと出ていった
「・・全く忙しいやつだな」
俺はグラスを片付けながら呟く
店は開店したばかり、おそらく此れから一癖も二癖もある常連の客や新規の客などが来る頃だ。さて今日は朝までどんな騒ぎになるのやら、俺はため息をついてグラスを片付けた。
取り敢えず今回はここまで