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冒険者ギルド?いえ、違います

さっき討伐したレジェンドウルフを売りに行くため、俺は買い取りのしてくれるギルドの場所へと向かった。

俺がよく使っているギルドの名前は『オールオーダー』。

何でも屋だ。買い取りから雑用、その他諸々。と仕事が多い。

ついでに俺の知り合いも。

この手の者は大抵冒険者ギルドと相場が決まっているって?

いや、だって冒険者って色んなやつがいるじゃん。そしてそこそこ有名なんだよ。有名ってことは規模がでかい。規模がでかいってことは人数調整のために試験がある。

命の危険があるため成人の15歳まで登録できない。

などと言う問題があるかとから俺はこのギルド『オールオーダー』を利用しているわけだ。

オールオーダーは、幅広い年代層を対象に、それぞれにあった仕事をこなせるシステムになっている。

冒険者の場合、下級クエストで報酬がイマイチなものもこのギルドでは専門職にして受け、月毎に暮らせるだけの報酬が払われる。もちろん魔物討伐系のクエストもある。

ちなみに冒険者に比べて、報酬は確かに低くなるがその分それぞれの生活の保証、いわゆる公共施設が利用しやすい。

そして、本来働けないはずの子供でも、稼げる。これにより、親がいない人や孤児などの人間でも、1ヶ月安全な場所でお金が稼げる。

ようはボランティアギルド、と言うやつだ。

個人の利益だけでいいなら冒険者だが、スローライフを送りたいならこのオールオーダーに入ればいい。それだけ。

加入に金額は掛かるし、手続きもあるけど金額は後払いでいいし働いてさえいればまず餓えることはない。

だから、今俺がいる場所は規模は小さいが、確かな発展をしていた。

こんなギルドなら人が大勢いてもおかしくはないはず?そう思う人もいたようだがいまだに冒険者の方が知名度が圧倒的に高い。

それに、今その時だから儲かる場所って言うの世界や時代は違えど必ず存在する。

そんなギルドだからこと俺は入りたいと思ったわけで。


「あ、キリウス君!お帰りなさい」


オールオーダーの役所にたどり着いた俺はいきなり、声をかけられた。俺もこのギルドでは有名になったなぁ。

ちなみに今俺に声をかけてくれたのはここで働く受付のお姉さんで名前はスーザ。年齢は20前半だ。

そう言えばこの人、俺と登録した同期だ。

5年前にはじめて登録して、その時からの付き合いだ。当時はどちらとも新人でオロオロしたのを覚えている。


「うん、ただいま。スー姉さん。あ、いま買取りできる?」


さりげなく訪ねるとスーザは笑顔でこう言った。


「うん、できるよ。今は誰もいないからね。それでぇ、今回はどんな化け物を取ってきたの?」


さりげなく人を化け物呼ばわりするなよ。あ、さっきのステータスじゃぁ否定できないけど。


「ただの狼だよ」


嘘は言っていない。確かに狼だ。ただちょと倒すのにてこずるだけだ。


「ふーん。まぁ、後でわかるか。それじゃあこっちに来て」


そういわれ案内された。何回も来ているから案内の必要はないけど。

そして、素材や魔物の死体を買い取る用の場所に来ると異空間からレジェンドウルフを出した。


「はぁ、もうこういうのにもなれたわねぇ、私も」


と、なにかを言いつつも死体を解体し、使えそうな素材を分け、金額を計算している。

計算するときには「そろばん」だった。

うわーはぇな。


「それにしても綺麗な切り傷ね。殆ど傷がないじゃない」


うむ、素材は金になるのでなるべく一撃で仕留めるようにしている。これは、日課だ。


「これなら、250万Gでギルドの持ち分を会わせて全体の三割引いても、75万。だけどどうせいつものように25万Gでいいんでしょ」


「そうだよ。それで換算して。一応これでもこのギルドの幹部なんだ。多少、金額の奉仕をしないと」


2年前、何だかんだやっているうちにオールオーダーの名誉幹部になった。何でも、めちゃくちゃ奉仕したから権限を与えないとマスターの精神が死んでしまいそうだったので、なんとか妥協の末、名誉幹部で手打ちとした。


「はぁ、確かにオールオーダーとしては助かるけど貴方は欲しいものとかないの?」


欲か?欲ねぇ。少し考え、俺は口を開いた。


「特にないな。だって、すべて無駄だから」


スーザは「あんたらしいわね」と言った。名誉とかお金とかそう言うものには必ずめんどくさい何かがまとわりつく。

おれは、自由に生きるには多少本能のままにそして、いかに人とか変わらずに生きていけるのか、それが一番大事だ。

結局のところ人間が一番人間を縛っているのだ。

自分の人生は自分で決めるもの?冗談じゃない!人の人生を決めるのは最後は他人なのだ。

だから人は常に他人の人生を決めていると言う責任を持たなければならない。

そんな責任は真っ平ごめんだ。

文字道理、俺は自分の道は自分で決める。ことこの世界においては種族が知性を持つ生命体が前世の数倍だ。

人は数が多ければ多いほど自由はない。

たがら金があろうがそれはそれで自由ではない。つまりは、


「半端が一番なのさ」


作業を終え、役所から出る時に俺はそう呟いた。

その呟きを聞いた人は誰もいない。


◇ ◇ ◇


俺は家を持っている。

と言うのも、外にあったボロい奴を一番安く買い取り、改造した。いま思うと、俺は天才だったのだろうか?それとも、前世の記憶が無意識に働いたのだろうか?

その時何を思ったのかは覚えていないが、目の前の自宅をみて、思うことはただ一つ。


「えぇぇぇ」


そこには、立派な、それはそれはもう大変ご立派な四角い建物があった。

読んでくださり、ありがとうございます。

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