第八話 ライトデュエルを始める二人
第八話 ライトデュエルを始める二人
/(スラッシュ)「は?」
静まり返る一同。シーンと文字が出てきそうなくらいだ。
護衛3「どういうことですか?」
トノサマ「え?そのままの意味だけど…?」
は?え?マジで?
/(スラッシュ)「…それはどういうことか、詳しく…」
仮面で顔全体が隠れてるから皆はわからないけど、物凄い顔だと思う。この仮面には助けられてばかりな気がするな…
トノサマ「えーっと…。『私が勝ったら、私のギルドに入りなさい』って意味だったんだけど…」
そういうことかい!それって『私のもの』じゃなくて『私たちのもの』じゃねえかな?ギルドに入るんならさ?
/(スラッシュ)「そういうことか…。わかった。では、あなたが勝てば、ギルドに入ろう。だが、私が勝てば、私のギルドの一部になってもらう。もちろん、入りたくない奴は入らなくて良いものとする。」
俺にこんなことを言ってくるんだ。相当強いはずだ。少しは楽しめそうだ。新しく作ったスキルの実験体&ギルドの一部になってもらう。
トノサマ「OK、いいわ。それでいきましょう。」
護衛2「いいのですか!?相手は/(スラッシュ)ですよ!?」
必死にトノサマに訴える護衛。きっと、そっちのギルドでなければならない理由があるのだろう。
トノサマ「いい?これは私の戦いなの。あなたは何も言わないで。」
護衛2「…くッ!」
ま、そうなるわな。どんな理由かは知らんが、本気で戦わせてもらう。
/(スラッシュ)「では、始めよう。こちらへ。」
ギルド内のデュエルフィールドへ案内した。
/(スラッシュ)「準備はよろしいかな?」
トノサマ「いつでも~」
相手が装備してるのはナックルかな?刀は飾りだろうか?せっかく持ってるのに装備しない。あの拳全体が隠れるナックル。あんなに大きいのに何もないわけがない。警戒しておこう。
トノサマ「そっちは装備しないの?」
/(スラッシュ)「えぇ。この剣だけで充分です。」
そう、マントから取り出したのは、小さなダガー。
トノサマ「ふーん。ま、いいけど。」
デュエル申請を送った。ルールはライトデュエル。
ログ:デュエルモード、ライト。レディ…
GOと共に動く… と思いきや、どちらも動かない。相手の出方を待っているようだ。
動けばきっと、相手が何かしらしてくる。
トノサマ「何もしないの? …じゃ、私から行こうかな。」
そういうと、トノサマは構えを解いて…
トノサマ「スキル:疾風」
その言葉と共に彼女は消えた。
どんなスキルか、どんな効果があるのか、たった一秒で考えた。
その刹那、背中から物凄い痛みを感じた。この一瞬で背後に回り、蹴りを入れられた。
そのまま吹っ飛んだが、体勢は立て直せた。
ここからわかるかとは、あのスキルは自身の速度を上げる効果があること。しかも、それは普通ではない程まで跳ね上がる。これを対処できなければ、俺に勝ち目はない。