第三話 ババ抜き
第三話 ババ抜き
竜牙「はぁ…」
気づいたら真夜中だった。
竜牙「寝ないとな…」
竜牙「がはっ!?」
寝坊したか?いや、大丈夫だな。
竜牙「はぁ~。大丈夫だな。急いで出よう。」
用意をささっと済ませた。
竜牙「行ってきます。」
いつものことだが、返事がない静かな部屋だな。
妹さえいてくれればな…。
ライト「おいおい聞いたか!?昨日、デューチュエ・オンラインで/(スラッシュ)が出たんだってよ!」
おいおい情報流れるの早くないか?
竜牙「マジカヨ…」
適当に返事しておく。俺も昨日それ始めた、なんて言ったらパーティー組まされる羽目になるから言わないでおく。新しいキャラを作る気はないからな。
ライト「俺も早く欲しいなぁ。リンクマキナ。」
この世界のどこかにあるから買ってこい。
ライト「おっと、今日は用事があるから先に帰るな?」
竜牙「おう。わかった。」
にしても、どんなスピードで情報流れてるんだよ。「光の速度で」ってか?これで少し人口増えるな。慎重に行動しなきゃな。
いろんなことを考えながら帰っていた。
家に着いたと思いきや…。
???「遅かったわね。」
竜牙「? 誰ですか?」
???「フッ… そういうのも無理ないわね。あなたにしたら私は名前も聞いたこともないミジンコ以下の存在だからね。」
竜牙「あのー。」
そういって近づく。
???「おっと、それ以上近づいたらお友達がどうなっても知らないわよ?」
竜牙「!?」
ラ、ライト!?
竜牙「おい、あんた、どういうことだ?」
???「確認よ?あなたが/(スラッシュ)なのかどうか?」
くっ… 正体までバレてるか…
竜牙「まず、そいつを放せ。それからお前の話を聞こう。」
???「あんたとか、お前とか…。私には名前がありますから。私はルージュ。本名は『柳川 紅愛』。どうせ覚えてくれないとは思うけど…。 あなたの本名は?」
竜牙「なんで初対面のお前に俺の名前を言わなきゃならんのだ?」
少し警戒した方がいいかもしれない。
ルージュ「私が名乗ったのだからあなたも名乗るのが礼儀でしょ?」
竜牙「じゃあこうしようか。ゲームで戦って、勝った方が負けた方に言うことを聞かせる。どうだ?これでお前の知りたい名前が聞けるぞ?」
こんなことをするんだ。相当強いとは思うが…。あのライトを助けるにはこうするしか…。
見た目は…中学生だろうか…。だが、それに騙されてはいけない。
ルージュ「いいわ。そうしましょう。では、対戦するゲームは『ババ抜き』で、どう?」
ババ抜きか…
ジョーカーを加えた53枚のカードで手札がなくなった者が勝ちのゲーム。
ただし、今回は二人なのでジョーカーがどちらにあるかわかる。
さらに言うと、二人だと最後の一組プラスジョーカーだけが残るので、相手の顔を見ながら判断しなければならない。
配られた結果、ジョーカーはこっちが持っている。
ルージュ「そっちにあるみたいね。ジョーカー。」
竜牙「そうらしいな。」
二人は会話しながらペアのカードを捨てていく。
こっちは十枚、ルージュは九枚残った。
何を引いても捨てることが出来る。
つまり、勝負は…
竜牙「これだッ!」
引いたのはジョーカー。これで何回引いたんだ、ジョーカー。
ルージュ「うぅ…。いい加減、どっちが10か教えなさいよ…。」
竜牙「教えるかよ…。」
死にかけの二人が繰り広げる戦いは何時間かかるのだろうか…。
学校から帰ってからずっとだからなぁ。もう、3時間ぐらいジョーカーの引き合いしてるんじゃなかろうか。
ルージュ「あ…。」
竜牙「…あ。」
あっさり終わった。結局俺の勝ちだった。
竜牙「ッシャァァァァァァァァアア!勝ったァァァァァア!」
ルージュ「…ぁぁ。終わった…」
夜に大騒ぎする俺。きっと近所迷惑だっただろう。
竜牙「フハハハハハ!確か勝った方が言うことを聞かせるんだったなァ?さぁ、聞いてもらおうか!俺の願i」ルージュ「うぁぁぁあん!(泣)」
泣き出しちゃったよ。どうしよう。
ルージュ「うぁぁぁあん!(泣) 絶対変なことやらせるつもりだぁぁぁあん!(泣)」
竜牙「ちょまて、そんなこt」
うぁぁぁあん!
ライト「おい!開けろ!開けろ!」
大騒ぎの我が家。どうすればいいんだ。
ライト「開けろォォォォォォォォォォオオオ!」




