第二話 デューチュエ・オンライン
第二話 デューチュエ・オンライン
竜牙「…」
ライト「ァァァァァァァァァァ…」
死んでますよ… 煌さん…
もちろん俺の勝ち。だけど、正体がばれない程度に。
ライト「…あと少しだったのに…」
ホント危なかった。あと少しで死んでた…。
ライト「く、俺の負けだ…。お前が使え!」
カッコつけんなぁ!?
竜牙「い、いや、お前が使え。いいから。」
ライト「何言ってんだよ。お前が勝ったじゃねえか。約束は約束だ。」
もう駄目だぁ。しゃぁねえな。貰っとくか。
さーてと。とりあえず、これで準備完了かな。
説明書を読むと、脳から出される何とか信号を読み取ることで、キャラクターなどを操作できるという、素晴らしな機械なのだ。いやー、素晴らし。
頭につけるのだが、子どもの頃、自転車に乗るときつけていたヘルメットみたいな感じがした。VRというよりヘルメット。
その機械は大きいだけにすごかった。
メインメニュー、元から入っている内臓アプリがあるのはもちろん、まだ枠があることから、ソフトをダウンロードすることもできるというのは察しがついていた。
ふむふむ、では早速、ゲームをダウンロードしてみますか。
ほうほう、発売されてから五年。人気の余り、買えないという人が増えてネットで買おうもんなら、高額すぎて買えない伝説を作ったハードだが、時間が経っているから、いろんなのがあるな。
無料ソフトもあるな。あ、でも基本なのね。
お、これは…。
オンラインゲーム。ネットに繋いで大勢の人と同時にプレイするゲームだな。
ふむふむ、『デューチュエ・オンライン』っていうのか。
「神と人。その二つが対立する世界。あなたはどちらになりますか」か。
面白そうだな。やってみようか。
「神か人、どちらになりますか?」
うーん。神だとステータス高いんだろうな。MPも高くて、魔法?とかも最初から大体使えるんだろうな。だが、ここは人で。
「次に、あなたのゲーム内キャラクターの見た目を作ってください。」
ふーむ。あとで名前聞かれるんだろうな。じゃあ、/(スラッシュ)でいこうか。
となると、マントと仮面が欲しいな。っと、その前に…。
よし、元は完成。あとは『アクセサリー』からマントと仮面。
まあこんなもんでいいだろう。
なぜか全く同じものがあったのは気にしないでおこう。
さ、この世界に入ろう。きっと/(スラッシュ)もどきがたくさんいるんだろうな。
わー、すごーい(棒)。たくさん同じ見た目のやつがいるぞー(棒)。人気ということが明らかだなぁ(棒)。
だが、なぜか/(スラッシュ)という名前が通ったのは気になる。同じ名前は使えないはずなのに。あとでネットを見ておこう。
「おー!本物がついに来たぞ!」
オォォォォォオ!
…どうやらネットで調べる必要はなかったようだ。
大量にフレンド申請が来る中、町中を逃げ回る俺。
ゲーム最強がこれではいけない。隠れなくては。
お、階段がある。とりあえず、ここに逃げよう。
はぁ、はぁ。これ、疲れんのかよ。にしても暗いな。ダンジョンかな?
「どこいった?お前はあっちを探せ!」
「はい!」
響いて聞こえてくる。少しは安心できそうだな。
まず、この町の構造を知ろう。
地図地図っと。
親切にも最初から地図を持っているな。
なるほど、記憶した。逃げるルートもこんな感じでいいだろう。
このゲームは自由度が高いゲームらしくて、アイテム作成も現実とあまり大差なく、作ったものに名前を登録するぐらいだな。違いは。
スキルも自分で作れるらしいが、スキル関係の実績をすべて解除した後に出来るんだそうな。
「残りはここだけだな。」
「馬鹿言え。ここはダンジョンだぞ?あのゲームの天才が初期装備でダンジョンに突っ込む分けねぇだろ。」
「しかし、ここ以外いないのですよ?」
「むぅぅ。早く探し出さなくては…」
ん?なぜだ?とりあえず聞きに行こう。
/(スラッシュ)「なぜ、探し出さなくてはならない?」
「あ、あなたは…」
「とりあえずこっちへ」
なるほど、百人を超える大きいギルドか。
???「はい、私は『アルファ』と言います。もちろん、ゲーム内のキャラ名ですけど。」
/(スラッシュ)「言わなくてもわかると思うが、私は/(スラッシュ)だ。一つ聞かせてくれ、なぜこの名前で通った?」
アルファ「ああ、そのことですか。私ら『アルファギルド』の活動でその名前は使わないように呼びかけています。ですが、あなただけにはこのことが伝わらないようになっています。」
ふむ、なるほどな。
/(スラッシュ)「ここにギルドマスターはいるか?」
俺から見ると、左上に現在地が『「アルファギルド』内』となっている。
机を囲んで四人で話していると、何となくこのゲームについてわかってきた。
アルファ「ギルマスは俺ですが…。」
この少し歳をとったオジサンキャラのアルファ。悪いが利用できそうだな。
/(スラッシュ)「俺もこのギルドに少しの間入れてくれ。活動拠点として、少しの間だけ。」
アルファ「それならあなたがギルマスになればいいじゃないですか。ギルド名も『スラッシュギルド』にすれば…?」
/(スラッシュ)「…そうか、助かる。」
 




