第十七話 あいつらしい…
第十七話 あいつ(ライト)らしい…
/(スラッシュ)「これから『上位形態捜索部』を作ろうと思う。」
ギルドのメンバー全員に告げたのは、フォームアップ習得に必要な例の本の捜索する部を作ることだ。
この部では、あくまでも捜索するだけであって、手に入れることが目的ではない。
この部の中に、『上位形態回収部隊』を作ろうと思っている。
こっちは捜索部が見つけた、マップ上にないダンジョンに侵入するためだけの舞台である。
つまり、捜索部が見つけるまで動けないというわけだ。
このギルドには最大の300人いる。その中の俺が選んだメンバー100人が探索部に入れる。強制ではないので、本人が拒否するなら入れようとは思わない。
/(スラッシュ)「捜索部にはアルファをはじめとする以下のメンバーに入ってもらう。強制ではないので、拒否するようであれば構わない。」
そうは言ったものの、全員入ってくれたことは言うまでもない。
トノサマ「で、私とあなただけが回収部隊?」
/(スラッシュ)「そうだ。現状、信頼できるのはお前とアルファだけだ。しかし、探索部がしっかり機能しないようでは意味がない。」
トノサマ「だから二人か…。」
確かに、二人というのはどうかと思う。でも、この中に裏切るやつが出ないとも限らない。
これは仕方ないことだ。
にしても、トノサマが二人なことに喜んでいるように見えるのは俺だけか…?
ライト「なんか、/(スラッシュ)がすごいこと始めようとしてるんだってさ」
学校で、ふとそんなことを言われた。
竜牙「すごいこと、って?」
ライト「なんか… 何とか部ってのを作って探し物してるんだってさ。一体何なんだろうな。」
こんな情報まで出てるのか…。シンの仕業だろうか。それともスパイがいるのだろうか…。
ライト「なぁ、俺もリンクマキナ手に入れたんだよ。一緒にやらね?デューチュエ・オンライン?」
竜牙「え?あぁ。いいよ」
そうは言ったけど、流石に/(スラッシュ)のアバターで出るわけにはいかないな。何か別のアバターを作らないと…。
ということで作ったアバターが『ファング』です。
かなりとがった見た目にしました。凄くとがってます。危険です。
始まりの町で集合らしいので待ちましょう。
…
……
ライト「おまたせー」
名前は俺が読んでるやつにしたのか。あいつらしい。
にしても、普通の見た目だな。RPGゲームの主人公みたいな。
ライト「どーよ、カッコいいっしょ?カッコいいっしょ?」
ファング「あ、あぁ。まぁ、お前らしいって感じだな」
ライト「どんなだよ。それ。」
とか、なんとか。
数時間レベリングした結果、Lv.1からLv.45まで上がった。
まぁまぁ頑張ったかな。それでも/(スラッシュ)のレベルまで届かないけどね。
ライト「なぁ、/(スラッシュ)のギルドに行ってみねぇか?」
ファング「はぁ!?マジで言ってんの!?」
ライト「んだよ…。そこまで言わなくてもいいだろ?あの/(スラッシュ)様だぞ?会いたいだろ?」
そういうことではないんだが…。こいつは/(スラッシュ)の話になると止まらないからなぁ。
ファング「分かったよ。じゃあ行こうか。」
ライト「おお!そうでなくっちゃな!でも、どこか分かるのか?」
ギクッ… 危なかった。慎重にならなきゃな。
ライト「… しょうがないなぁw ついてこい。ちゃんと調べておいたから。」
危なかった。本当に。にしてもこいつホントすごいな。好きなことにだけはすごい調べてるな。好きなことだけは…。
ライト「すいませーん!/(スラッシュ)様はいますかーっ!?」
ファング「おいッ!やめろッ!」
豪快に扉を開けて早々、こんなことを言い出す。全くだ。
アルファ「どなたですかな。/(スラッシュ)様にデュエルを申し込みたい方はお引き取り願いたいのですが?」
まずい!アルファだ。このギルド内で俺との付き合いが一番長いのはアルファだ。バレるかもな…。できれば会話はしたくないな。
ライト「いえ!デュエルではなく、このギルドに入りたいのですが!」
アルファ「二人かね?では、支部から入りなさい。そこで認められれば、こっちに入ることもできるだろう。」
ナイスだ、アルファ!これで…
ライト「分かりました!では、支部まで案内をしていただきたいのですが!」
おいぃぃぃぃぃぃぃぃい!面倒なことすんな!
アルファ「… ついてきてください。」
あぁ…これはバレた。\(^o^)/オワタ
歩くこと五分…。
アルファ「ここが支部です。」
ライト「ありがとうございました!ほら、りゅ…ファングも」
無理やり頭を下げさせられた。なんか変な感じだ。アルファに頭下げるなんて…。
アルファ「あ、ファングくん?少し話が…」
ライト「え、え?」
ライトは頭をぶんぶん振りながら必死に理解しようとしている。
アルファ「あなた、/(スラッシュ)様ですよね」
小声でそんなことを言われた。
ファング「あー。やっぱわかる?」
アルファ「えぇ。動きでなんとなく。」
やっぱりかー。だから、あんまり一緒にいたくなかったんだけどなぁ。
そのあと二人で話した。
すぐに戻って『支部・サムライ』に入った。
ライトは喜んでいたが、俺的には入りたくなかったな。
/(スラッシュ)としてログインする→ファングがインできなくなる→支部長からクビにされる
ここまでわかっていてナンデ入ったんだろう…