第十六話 希望か絶望
第十六話 希望か絶望
落ち着くために、少し降りた先の川まで行った。
座っていると、隣にトノサマが寄ってきた。
/(スラッシュ)「…すまない。大丈夫だったか?」
トノサマ「私は大丈夫…。…あいつが言ってたこと、私、知りたい。教えてくれない?」
少し悩んだが、教えることにした。
/(スラッシュ)「さっきの…、『シン』だっけか。あいつらが、俺の家族を目の前で殺したやつらだと思う。妹も、父も、母も…。」
紅愛に話したことと同じ話になってしまった。
けど、話したおかげで少し落ち着いた。
トノサマ「そっか。そんなことが…」
/(スラッシュ)「昔のことだ。でも、今になって出てくるなんて…」
しばらく静かになった。風の音、水の音、太陽の光が体に流れ込んでくる。
さっきまで気づかなかった。こんなきれいな場所だったなんて…。
いずれあいつらはまた出てくる。その時は、必ず…
トノサマ「そろそろ帰ろっか」
その言葉に我に返った。
/(スラッシュ)「あぁ。そうだな。例の本のこともあるし、帰るか」
帰るまで特に何事もなく、無事にギルドに戻れた。
アルファ「お帰りになられましたか。」
/(スラッシュ)「あぁ。収穫はあった。そして、次の目標も…」
アルファ「は?」
俺たちはそのあとマスタールームに戻った。
ともかく、今は本の中身を見ないことには進まない。
トノサマ「えーっと…何々?」
タイトル:この世界に眠りし力たち
著者:不明
この本を読んでいるということは、きっとその力を持っているということだろう。
先に伝えよう。決して、間違った使い方をしないでほしい。
この世界には、十の力を放った。
十の力が集まった時、希望か、絶望かのどちらかが起こるだろう。
君ならきっと『絶望』が起こったとしても、止められるだろう。
/(スラッシュ)「『絶望か希望か』、か…」
トノサマ「私たちみたいな能力が、あと八個…」
この本からは重要な情報が多すぎる。
短い内容だが、今は二人の秘密にしておいた方がいいな。
/(スラッシュ)「こいつのコピーを取ってから、マスター倉庫に入れておくか」
トノサマ「そうだね。それがいい。」
二人とも同じ意見で、すぐさましまった。