第十三話 クラウディア
第十三話 クラウディア
/(スラッシュ)「だいたい集まったな。」
トノサマ「そだね~」
このゲーム内に存在するスキルをすべて集めてきた。
/(スラッシュ)「残すはフォームアップを習得するためのエンチャント本のみか」
いくつあるかもわからない本を集めるだけとなった。
こんな力があるとなると、人のアイテムを狙ってデュエルする奴が出てもおかしくはない。そんなことが起こる前に集めないと…。
トノサマ「そうだ!今暇?」
/(スラッシュ)「え?あぁ。」
返事をすると、俺の手を握って連れていかれた。
着いた場所は、異空間の中だった。
異空間と言っても、床も、天井もしっかりしていている。
/(スラッシュ)「どこだ?ここ…」
トノサマ「ふっふーん!クラフトルームだよ。」
見るからに、クラフト専用の部屋っぽい。
何を作る気なのか。
トノサマ「しっかりした武器って確か持ってないでしょ?今から作ろうと思ってさ!」
俺が持っているのは、安くで買ったダガーのみ。新しい武器かぁ。どんなのがいいか…。
トノサマ「どんなのがいいとか、ある?」
/(スラッシュ)「ふむ…。できれば、軽く、マントの中の武器ポケットに入れられるサイズがいいな。」
小さいが、武器を入れられるポケットがついている。ここにダガーを入れていたのだが、そのサイズだと、結局ダガーか。
トノサマ「うーん… じゃ、攻撃力があって、エンチャント付きのダガーにしよう!見た目はどんなのがいい?」
/(スラッシュ)「見た目かぁ…。いつも性能重視だったしなぁ…。」
正直、使えればどんなものだっていい。でも…
/(スラッシュ)「竜の…。竜の爪?ブレードみたいな?…えっと、確か…」
俺が言いたいのは、昔あったゲームに出てきた短剣の武器。大きな腕の竜が持っていた爪を素材とした武器だ。その画像を検索して見せた。
トノサマ「ふ~ん…。こんな感じか…ッ!」
あっという間に再現されていた。まったく一緒だ。
トノサマ「名前はどうするの?」
名前を決める画面が表示された。
名前なら決めてある。
/(スラッシュ)「『クラウディア』。この短剣の名前だ。」
トノサマ「クラウディアか…。カッコいいね!」
マントにしまっても、ちょうどいいサイズだし、使いやすい重さだ。仮に後ろから来られても、対応できる。よし…
大図書館にて…
/(スラッシュ)「エンチャントは… こんなもんでいいか。」
トノサマ「マックスまでつけるのね」
/(スラッシュ)「当たり前だろ?持っているものは使わないと、もったいないだろ?」
武器名:クラウディア
攻撃力:1350
追加エンチャント[5/5]:攻撃力上昇IV フリーズIII 竜の魂 ダッシュマスター ダメージ軽減III
トノサマ「いいものができたね!」
/(スラッシュ)「あぁ。悪くない。」
この剣は大切にしよう。妹と一緒に遊んだ時に使った武器だ。この剣の使い方なら、俺がよく知っている。俺が一番…