話し合い 2
じぃじの凄さを改めて感じてからおじ様を見る。
さてはて、これはまぁいいとして・・・。
「姫って・・・なんで?」
「あー・・・姫っていうのは・・・その、あなたがとても優しいので・・・こうあこがれというか・・・なんというか・・・。」
ん?優しい?
誰が?
私が?
「え?」
「襲いに来た人に対して、最初は優しく笑顔で促してくる優しさ。そして、殺しはしないし、国へと帰してくれるという優しさ。慈愛に満ちた姿に、
えっと・・・なんだそれ?
私、いっつもボロボロにしてたんですけどねー・・・。
一応さ、最初は攻撃して恨まれたくないから、言葉で帰ってもらえるように促すけどね。
一応。
そして笑顔なのは、愛想だよね。
人として、愛想って大事だよね。
うん。
まぁ、言葉で帰ってくれる人なんて一人も居ませんでしたけどね!!
だから、毎度ぼろぼろに捨てましてけどね!!
国に帰したのだって、変なところに捨てて死んだら私の後味が悪いからで、別に優しいとかじゃないんですが・・・。
なんというか都合のいいようにとらえられてるんだな・・・。
「私・・・姫じゃないです。」
これだけは言っておこう。
私は普通の人ですから・・・いやチート能力は持ってるけど・・・。
「私はこのじぃじに助けられたので、恩を返すためにもじぃじを守っているんです。」
うん、嘘は言ってない。
嘘は。
じぃじに魔術を教えてもらって助けてもらってるし。
じぃじ守ってるのも事実だし。
うん。
じぃじは私のすぐ隣に顔を寄せてくれる。
冷たくて気持ちいいよ。
「私は魔力は高いですが、普通の人です。」
「そうなんですか・・・?」
「そうなんです。まぁ、他にも理由があって、私はこの森に住んでいます。」
「この森に?」
「えぇ。」
うわぁ、驚いてるよねー・・・。
女神様から聞いた話、この森ってこの世界の中で最強難易度の森って言われてるらしいし・・・。
だから、捨てても捨てても勇者やら冒険者やら兵やらがやってくるんですよねー。
まぁ、いいや。
「っで、貴方たちに提案なのですが・・・、私と一緒にこの森で住みませんか?」
「え???」
「この森からあなた達は出られないのでしょう?ならこの森に住むしかないじゃないですか。」
「えっと・・・?」
「どうぞ、話し合いでもして決めてください。他の方達も最初から聞いていたのは知っていますので。3人で話して決めてください。」
他の2人のおじ様も目が覚めてるのは知ってたんですよねー。
まぁ、茶髪のおじ様が叫んだときに起きたみたいですけど。
まぁ、あれだけ大きな声出せばね。
まぁ、その後様子を見ていたようですが。
私、一応チート能力もちなんですぐ分かったんですけどねー。
おじ様は気づいているとは思ってなようですが。
急いで二人は起き上がって、茶髪のおじ様の方に行った。
うわぁー早いねー。
「おはようございます。」
にっこり笑顔で挨拶します。
挨拶って大事だと思うんですよねー。
おかぁにもちゃんとしろって教えられてましたし。
まぁ、また固まられたんですけどね・・・。
・・・先ほどの傷ついた傷がまた思い出されてしまった・・・。
そんなに酷いかな・・・私の笑顔・・・。
『大丈夫じゃぞ。』
「じぃじ・・・。」
じぃじが慰めるようにすり寄ってくれる。
うわーん、じぃじ大好きー。
私にはじぃじさえいればいいよー・・・。
嗚呼、もう人嫌いになりそうよ・・・。
じぃじの冷たさに癒やされながら、おじ様達の話し合う姿を眺めているのでした。