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帰ってください


「うっ。」


「あ!」



じぃじと一緒にお話ししてたら声が聞こえ、おじ様達の方を見る。

うん、一人、動いてるねぇ。

動いている茶髪の顎髭のおじ様の顔をのぞき込む。



「目、覚めましたか?」


「えっ、・・・うわぁあああああ!!」



わぁ、人ってあんなに早く動けるんだね。

飛び起きたおじ様にビックリです。



「う、ぁ。」



わぉ、言葉になってない声が聞こえるよ。

・・・そんなに驚くことかな・・・?

そして警戒されたますが・・・。

うぅ・・・。

私一応笑って声を掛けたんだけどなー・・・。

平凡だって自負してるんですが・・・。

そんな言葉にならないほど酷い顔だとは思ってないんですが・・・。

・・・ちょっと落ち込みます。

いや、かなり落ち込みましたよ。

うん。



「あの・・・そんなに警戒されなくてもいいですよ・・・?」


「あっあ・・・。」


「何もしませんから安心してください。」



優しい笑顔で言ってみたんですけど・・・駄目かな?

え、そんなに怖いかな・・・。

なんで固まってるのかな・・・?

そんなに酷い顔ですかね・・・?

見るに堪えない顔ですかね・・・?

落ち込んでいると、回復したのか、おじ様が近づいてくれました。



「あっあの・・・。」


「あっ、ごっごめんなさい。」



近づかれて初めて気づいたよ。

結構落ち込んでいたようです。

とりあえず笑顔を浮かべておきますよ。

笑顔はどの世界でも通用しますよね!?

ちょっ、笑顔で見たんですけど!!

駄目ですか?

この国には通用しないんですかね???

また固まられたのですが!!??



「えっあの、あの!!大丈夫ですか?」


「うっあっ・・・。」



顔を真っ赤にして怒るぐらい見るに堪えませんかね??

私の笑顔は!!

うわー、傷つきます・・・。

しょぼーん。

いや、落ち込んでいても、話は進みません!

いいんです、たとえ笑顔が駄目でも!!

これ以上彼等と関わることはないもん!

大丈夫。

じぃじが私にはいるもん。

っと言うわけで話し進めるぞ!!

まぁ、っと言ってもいつもどおりぽーいって捨てるだけなんですけどね。



「あの、貴方たちの怪我は治しておきましたので、帰っていただけませんかね?」



自主的に帰っていただけないと・・・ぽーいすることになるんですが・・・。

あんまりしたくないんですよねー。

この人達かわいそうな人たちなんで。

できれば自分で帰って頂きたい。



「私はこのドラゴン様さえ守れればいいので。」


「ドラゴンの姫・・・。」


「え??」



今なんかいいましたか?

んんん??聞き間違い??



「いや、何でもない。」


「あ、はい。」



なんでもないことはないと思うんですが・・・。

まぁいいや。

気にしないでおこう。



「っで、あの・・・。」


「あ、嗚呼。帰るっていうのだが・・・残念ながら帰ることはできないんだ・・・。」


「え!?」



帰れないってどういうことですかね??

帰って頂かないと困るんですが・・・。



「なんでですかね?怪我ならちゃんと治ってますし・・・あの、帰る方法がないっていうなら、私の魔法を使って帰しますが・・・?」


「いや、その怪我は治してもらって有り難いのだが・・・。俺たちは自国に帰ることはできないんだ。」


「えっ??なんで?」



なんで自国に帰れないんですか???

帰りたくないんですか???



「いや、帰れるなら帰りたい。しかし、俺等は命令されてしまったからな。」


「命令?」


「嗚呼、上司達にここで囮となって死ねと。」


「・・・はぁ?」



・・・何それ・・・?

人の命なんだっと思ってるんですかね・・・?



「上司って?」


「ここに一緒に来た方達だ。」


「・・・ってことは・・・。」



イケメンどもかあああああああ!!!

よし、滅してやろうか!!!!!!

イケメンどもがああああ!!

滅茶苦茶腹が立つんですけど!


「・・・つまり?」


「命令されたから帰れないんだ。帰ることはできないんだ。」


「はぁ?命令されたから?」


「嗚呼、俺等はあの人達の部下だからな。命令は絶対だ。」



なんじゃそりゃああああ!!

命令されたから帰れないって。



「死ねと命令されたのに、何もないまま帰ってしまえば俺等はあの人たちに殺されるだろう。」


「・・・え?」


「彼らは我が国の軍隊の隊長達だからな。俺たちでは彼らの足下にも及ばないんだ。」


「え・・・?」


えっと・・・つまり?



「俺等は帰れば、命令違反をしたものとして処刑されるだろう。逃亡も許されず即処刑だろうな。」


「は?」


「他国に逃げたところで、すぐ見つかるだろうな・・・。この森は特殊な結界が張られているから分からないが、ここから出れば俺等に付けられた魔石が反応してすぐ分かるからな。」


「魔石?」


「嗚呼、俺等下級兵には裏切らないように、入隊した際、魔石を埋め込まれるんだ。この魔石は各々の隊長が管理し、他国に逃亡や裏切り等をするようならば即刻知らされというものなんだ。」



・・・うわぁ、マジでゴミ屑・・・。

どん引きのあまりフリーズしてしまった。

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