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絶望

目が覚めたら、目の前にすんごく美人さんの顔がありました。



「あ、目が覚めましたか!!」


「あっあの???」



嬉しそうな笑顔を浮かべる美人さんに私は全力で戸惑う。

滅茶苦茶恐い・・・。

少し引くと、美人さんが涙目になる。



「ごめんなさい。ごめんなさい。私の国の者がごめんなさいぃぃぃぃぃ!!!!」


「うぁ!???」



恐いんですけど!!!??

美人さんの土下座恐いんですけど!??

なんで急にこの人土下座するの??

ってか私の国って?

何これ、超恐い!!!

どん引きしている女と土下座する女の図ってめっちゃくちゃ恐いよね。

でも実際されてる本人はその倍以上恐いからね。

どん引きして見ていれば美人さんは落ちついたのか、涙を拭きながら立ち上がる。



「急にごめんなさい。」


「え、あ、はい。」


「改めまして、私はこの国、いえ、この世界の神です。」


「んんん????」



髪?

紙?

嫌違う、神だね。

神っていいましたか?この人。

え、なに???



「えっと、もうお気づきかと思いますが、この世界はあなたが住んでいた日本ではありません。というか、地球でもありません!」


「ふぇ!??」



日本じゃないとは思ってましたよ!?

でも地球でもないとか・・・え、え??

何それ!!

倒れそうになるのを必死に我慢する。



「実はここは全く違う星です。はい。この星は私が神として管理している星なんですが・・・この星、一応女神の私が管理しているのですが何故か女性が生まれることが少ない星なんです。」


「んん?」


「普通、女神がいるんだし、女の人の方が生まれやすいかと思うんですけど・・・逆で、女神がいるからいいんじゃねって星が思ったようで、男女の比率が8:2なんですよねー?」


「えっと・・・?」


「なんで、この星に女性が少なくてですね、困ってるんですよ。男女がいないと人は増えませんからねー。特に王族なんて絶対に跡取りがほしいんで何が何でも女性を取ろうとするんですが・・・。」


「え、あ、はい?」


「まぁ、この星の女性って結構傲慢でしてね・・・まぁ希少価値がありますしね。王族に入るよりもその辺の奴らにちやほやされてる方が楽ですしねー。ってことでなかなか女性は王族に入んないんですよ。」


「あ、うん?」


「んでもって、王族も無理矢理なんてしちゃったら崩壊しかけないんですよねー・・・。王族が欲しがる見た目麗しき女性なんて下手したら一国よりも力持ってるから。信者っていうね。」


「あー・・・。」


「怖いですよねー。そういや地球でいうアイドル?でしたっけ?あんな感じなんですよ。」


「あーーーー。」


「で、王族は考えて他の国、星から女性を召喚したらいいんじゃないかってね。何も知らない女性を言いくるめて王族の妻にしちゃえって。」


「んんんん!!???」



なんとなくで話を聞いていたんですけど、急に飛躍したんですが???

なに召喚???なにそれ!?

え????



「ここの星にはまぁ魔術がありましてねー。特に王族は魔力が強いんですよー。お約束で。で、普通の人はできない召喚術もできましてね。で力業でえーいってしてるわけでよー。」


「ん???んんん???」


「で、私はそんな暴挙をあまり許したくないんですが、こんな星になったのも私のせいもあるわけでして・・・、こう、全てを止めるのもなーって。実際人が増えないと困るし。」


「え?!」


「でも、私にも良心がるんで!!普通の人を召喚されるのはちょっとね、なんでー他の星の神様達に相談して、まぁチヤホヤされるが好きでちょっと頭が足りない問題児を分けてもらうようにしたんですよねー。」



え???

なにそれ???

結局、私はあの星の神様に売られたの???



「あ!!違いますよ!!あなたがここに来たのは手違いなんです!!!本当はあの女の人しか来ないはずだったんですが、予想よりもあの王子の力が強くてですね。側に居たあなたまで呼ばれてしまったんです!!!本当にごめんなさい!!!」


「なに、それ・・・。」


「本当にごめんなさい。謝っても許されることじゃないのは分かってます。」



女神様は目からぼろぼろと涙をこぼす。

なんというか・・・そんなに泣かれると怒鳴りたくても怒鳴れないんですが・・・。



「返してあげたいのに返してあげられないし・・・。」


「え???!!帰れないの!???」



帰れない!??

嘘!?

なんで、なんで、なんで!?!???



「本当にごめんなさい!!!!あなたのあっちでの体は死んでしまったの。」


「なにそれ・・・。」


「あの召喚術は魂を召喚する物で、体はこちらで私がこっちの世界に合うようにした新たな体なの。あっちの世界の体は事故や病気で死んだことになるので・・・返したところであなたは体がなく、あなたとして生きることができなくなるの。」


「嘘・・・。」



なんで、帰れないって。

私は巻き込まれただけなのに・・・。

なのに・・・なんで。

嗚呼、嗚呼、もうおかぁにあうことはできないの??

なんで私が。

なんで私がこんなめにあわなくちゃいけないのよ!!!!!



「本当にごめんなさい!!!」


「謝んないでよ!!どんだけ謝られたって私はもうおかぁに会えないんでしょ!!!!」


「・・・えぇ。」



私の唯一の大切な人。

これからいっぱい感謝の気持ちを返していこうって思ってたのに!!

なんで、なんで、こんなことになってしまったのよ!!!!

目の前の女神を殴る。

何度も何度も。



「帰して!!私を帰してよ!!!」


「・・・。」


「帰してよおおおおおおお!!!!」



女神は何も言わず、ただただ殴られている。

私は女神の服を握りしめて泣き叫ぶ。

泣いて泣いて泣いて・・・。

そっと背中に回された腕に、また泣きたくなって。



「おかぁ・・・会いたいよぉ・・・。」


「本当にごめんなさい・・・。」






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