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始まりの日

思いつくままに。

楽しく描いていこうと思っておりますので、暇つぶし程度に。

私はお前達を絶対に許さない。

絶対に。

私はあんたちのせいで・・・。

私は一生、許さない。












「ここ・・・どこ・・・?」



私は普通の女の子で、苦しい受験を終え、念願の高校に入学しようとしていたのに。

なんで、私は道路を歩いていたはずなのに・・・。

ここは一体どこ?

目の前の人たちは何?

きらびやかな部屋だけど、とても恐い。

目の前に何人もの人が居る。

そして一番前にはキラキラ金髪のイケメンがいる。

でもそのイケメン、こっちなんか一切見ずに何故か私の隣にいる美人を見つめている。

うわぁ、恐いよ、帰りたいよ・・・。

ここどこぉ・・・。

おかぁ・・・助けて・・・。

何か話してるけど分からないよ・・・。

ここ日本じゃないの?

なんで隣の美人さんは分かるの?

なんで話してるの?

日本人顔なのに・・・髪は染めてるから金髪だけど・・・頭のてっぺん黒いもの・・・。

嗚呼、なんで・・・?

うわ、連れて行かれたよ・・・。

いや、うん、嬉しそうに行ったから大丈夫だと思うけど。

いやいや、人を心配している暇はないんだけど。

私は彼らが何を言っているのか分からず、ただただ周りを警戒をするだけ。

そうしていたら、兵隊みたいな人がやってきた。

そしてその人が何か言うけど理解できない。

そのまま何故か私は連れて行かれる。

抵抗したかったけど、剣を持っているのが見えて恐くてできなく大人しくしていくしかなかった。

恐い、恐い、恐い。

今まで平和な日本に居たんだもん。

刃物なんて包丁とかぐらいしか見たことないんだもん。

なのに、すぐ側に殺せる物を持った人がすぐ側に居るなんて恐くてたまらない・・・。

そのまま連れて行かれたのは、綺麗な部屋のようだけど檻みたいな場所。

鉄格子がはめれてた窓もない部屋。

何これ、なんで私がこんなところに居なくちゃいけないの?

いや、入りたくない。

でも、後ろから押されて鍵が閉められた。

なんで、なんで、私はこんなところに???

もういやだ、こわい。

おかぁ、おかぁに会いたいよ。

これから高校入って、いいところに就職しておかぁに楽させたかったのに。

おかぁ・・・。

その日からずっと泣き続けた。

恐くて、辛くて、悲しくて・・・帰りたくて。

どんなに訴えても、伝わらない。

ここが日本じゃないことは分かってる。

嗚呼、どうしたらいいの?

絶望にくれていると、数日前に隣に居た美人さんが牢の前に立っていた。



「ねぇ、あなた。」


「えっ?」


「あなた帰りたいのよね?」



そういって優しく微笑む美人さん。

私は目を見開いて美人さんを見つめる。



「帰りたいのよね?」



美人さんに少し強く聞かれてすぐに頷く。



「なら、ここから出してあげる。」


「え???」


「帰り方は私にも分からないけど、ここに居ても分からないまま。でも、外に出たら分かるかもしれないわ。」


「じゃあ、あなたは?」


「私は監視が酷くて逃げれないの。だけど、あなたは大丈夫。私が逃がしてあげる。」


「え、でも、それじゃぁ。」


「いいのよ。私は私なりに帰る方法を見つけてみせるわ。あなたはあなたなりに探して。そしてもし見つけたなら私に教えて?」



美人さんが私を見て笑う。

私はどうしたらいいのか、分からなくなり固まってしまう。

私は帰りたい、そしてここから逃げたい。

今、この人は逃がしてくれるといった。

もしこれを断ったら、もう逃げれないかもしれない。

でも、この人をこのままおいて行ってしまう。

私を逃がしてくれると言ってる優しい人を。



「悩んでる暇はないの!!今しか私の監視が緩くなってるときは!!!いいから来なさい!!」



美人さんは私を強く引っ張り出す。

凄く痛い。

しかも美人さんの顔がめちゃくちゃ恐い。

美人さんの豹変に驚き、固まっているとそのまま引っ張られて、いつの間にやらぽいっと扉から放り出されてしまった。



「ちょ!!えっ!!」


「早く行きなさい!!ここからさっさと出て行って!!帰ってこないで!!!どこへでもいって、死んで!!!」


「!!!??」



般若の形相のまま美人さんは怒鳴って、そのまま扉が閉められた。

私は手元に何もないまま放り出されてしまったのだ。



「どっどうしたら・・・。」



このままここにいても、また捕まってしまうかも・・・。

それは嫌だ!!

とりあえず離れなくちゃ!!

私はお城のような建物に背を向け、闇に紛れるように走り出す。

走って、走って、精一杯走った。

お城が見えなくなり、大きな森の中も我武者羅に走った。

もうどこに行っているのかも分からない。

恐いけど、でもまた捕まる方が恐い。

逃げて、逃げて、逃げて。

もう走れなくなるまで逃げて、足が絡まり転がって、落ちて、そこで私の意識はなくなった。



「こんなところに、居たのね・・・。ごめんなさい。」



優しい声が聞こえた気がした。

おかぁとよく似た声だった。


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