束縛彼氏の心情
彼女がブラウスのボタンを閉める。その姿を見るのも何度目だろうか、数え切れない。
「今日はもうお母さんが帰ってきちゃうから、帰んなきゃ。」
君が僕を帰らせようとしている。だから、
「そうだね、実は帰りたくなんてないけどさ。」
なんて言って君を困らせる。
「馬鹿言わないの」
君の声がもっと聞きたい。一度失ってしまったものだから。
「はーい」
でも仕方がないから帰る。
「じゃあ、またね」
ほんとに?また会えるの?
「うん、またね」
そんな不安に僕は襲われる。
つい2週間前、僕と彼女は復縁した。一度別れた原因は僕が束縛をしてしまうことだった。それで彼女は疲れてしまい別れを切り出したのだ。だけど僕は情けなくも引き留めて復縁を求めた。そこで出された条件は「束縛をしない」だった。僕はそれを承諾して晴れて復縁することができた。
だけど、僕はいつも不安だ。その理由は彼女に別れを切り出される前日でさえ「大好き」と言われていたからだ。僕はもう彼女を完全には信用できないと思う。それが悲しい。
実は、彼女が密かに他の男に言い寄っているのも知っている。だけど、それは彼女には言わない。
僕も、彼女以外の人に思いを寄せようと考えているからだ。
僕は彼女に愛ではなく依存しているのだと思う。だからだ。そして依存は束縛へと繋がる。
だから、僕は彼女に別れを切り出したい。依存を断ち切るために。そして彼女の恋のために。
続編希望の場合はコメントよろしくです。書きます。