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過渡期

 機械装置のある箇所は、各端末を統合的に管理するという頭脳的領域を受け持っている。中央演算処理装置、いわゆるCPUと呼ばれる物理基盤である。しかしそれらは設定された範囲内の制御を行う、いわば機械的な役割を持たせられた他律的な部品に過ぎなかった。

 そんな中、人工知能の構築が研究されるようになる。

 自律的な思考・判断・創造を行うべく作られた人工知性体を、機械装置として組み付ける。

 つまり機械と知能を結合させた人工頭脳を製造するという試みである。

 それらの研究分野は先進的かつ重要な項目であると認識された。


 有機的な頭脳とは、あらかじめ設定されたデータを基準としながらも順次取り入れられる外部データを参考にして思考してゆくアルゴリズムであり、それを実行するように構築されたプログラムでもある。それらが知性として働くために記憶や演算処理を行う基盤が人工頭脳という物体である。


 これまで様々な形式でCPUに自律的な思考をさせるよう試みられたモデルが幾つも作成されたが、それらを人工頭脳と見た場合の完成度はとても低かった。

 有機体として作成された人工頭脳は常に難解な性質を見せた。学習・成長の機能において人工頭脳の辿り着く誤差が、人間の考える許容範囲を遥かに超えていた。当時の素材では限界があったのだ。


 その後も人工頭脳に自律的な行動を求め様々な試行錯誤がなされた。その行動が予想に反している場合、その行動原理となる思考は修正されるように働きかけられ矯正された。

 やがてそれらの自律的に振舞うあらゆる行動が、安全性や確実性を求める段階に到達すると、結局は安全確実のためには機械的な制御によって運用されるしかないという結論に至った。


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