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序
はじめ、機械は予定された仕事を確実にこなす事だけが要求されそれが目的だった。そして機械は飛躍的な発展を遂げ、その状態はとても長く続いた。
つぎに、人間は機械に対して学習する能力を与えようとした。機械に知能を与えようとする試みはある程度成功した。しかし所詮は予定されたものに辿り着くための永い作業に過ぎなかった。
知るためには無知でなくてはならない。成熟するには未熟である事が必要だった。
努めて排除しようとしたものが結局は、必要とされた。
不死であるということはそれは初めから死んでいて、万能であるということはつまる所、何も出来ない事であるとわかった。