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一章 十三話 鉱物探し

ちょっと短めです……寝落ちしてたのが痛いorz


「あ、朝だ」


窓からの朝日の光とひんやりとした風を受けて、メリアドールは目を覚ます。

チュンチュン、と小鳥が鳴くのが聞こえた。窓から見える空は澄み渡っている様子。

メリアドールはそれらの刺激から、素直に起きる。前世でも寝起きの良さは良い方だ。

まだ家族で住んでいた時。出来の良い兄は朝には弱く、兄を起こそうとする母の声で目覚めてしまったほどだ。

そんな兄が一人家を出て、お嫁さんをもらって生活をするまでの間、一人で起きれるのだろうかと母と顔を見合わせていたのが懐かしい。



そのまま上半身だけ起こして背伸びしようとして、自分の右腕が何故か固定されているのか起きれなかった。

ぎゅっと握られる、暖かくも柔らかい感触……レイラがメリアドールの右腕を抱き込んでいた。

どうもレイラは寝ている間無意識に抱きしめる癖があるようだと冷静に努めようとする。

が、辛うじて素っ頓狂な大声を出さないで済む程度にしか落ち着けないメリアドール。

ドクドクと血が忙しなく体を駆け巡ってきて、興奮で顔に血が登るのを感じ取る。


「え、えーと、レイラ?」


ゆっさゆっさと、空いている左手でレイラの肩を押して揺さぶる。

しかしなかなか目を覚ましてくれない。実に気持ちさそうに声を漏らしてはより強く抱き込んでくる。

流石にずっと寝ているわけにいかないので、どうにかして起きてもらいたいのだが……と抱き込まれている本人は頭を掻いた。


正直言えば、このままずっとレイラの温もりを感じていたい。

だが爛れた──あくまでメリアドールの視点である──生活は彼女のためにも良くないと心を鬼にする。


「朝だよ、レイラ」

「うーん……もっと」


なかなか目を覚ましてくれないレイラにどうしたものかな、と数秒ほど考えたメリアドールは最終手段に訴えた。

意を決して、布団を引っペがしての強制覚醒である。

わひゃぁっというレイラの驚いた声が響いた。


「わ、ひゃ、寒っ……あ、おはよう」

「おはようレイラ。目が覚めたかな」

「う、うん」


うーん、っと背伸びをする。体のたるんだ筋肉が程よい緊張を得て覚醒へと促されていく。

ベッドの上に座り込んだレイラを尻目に、メリアドールはそそくさと寝巻きから着替え始める。

レイラは先程までの夢心地から漸く覚めた様子で、のそのそとメリアドールのあとに続いた。

目をショボショボさせながら着替えるレイラの様子にほんわかとした気持ちになったメリアドールであった。

部屋の向こうから、朝餉の支度をする音と匂いがする。やはりおばさん達は自分達よりも早くから目覚めては朝の支度をしているようだった。

今度はもう少しだけ早く起きて、自分にできることをお手伝いさせてもらおうかな、と考える。

お世話になりっぱなしは、一応前世では人生を20年以上過ごした大人としては心苦しいものがあるから。


そういえば洗濯って洗濯板を使うやり方だったっけ。石鹸使うのかな……?

やはり固形石鹸は可能な限り早く作るべきではないだろうか。

あればきっと需要があるはずだから。



朝食を取り終えたメリアドールは、オーヴォのいるところへと向かった。

一番村の外へと出かけることの多い彼から、何かしら情報を得れるのではないかという考えからだ。

尋ねてみると、オーヴォは小屋の隣で狩猟に使う弓の手入れをしていた。


「おはようございます。オーヴォさん」

「おう、おはようさん。……朝からどうしたんだ?」

「いえ、ちょっとお話を伺いたくて」


長くなるか?という問いにそれほどかからないかなと答えたメリアドールは早速切り出してみた。

長々と前振りをするのはメリアドールも好ましく思ってなかった。


「えっと、周辺の地形に何か有用な資源がないかなーっと。探している鉱物があると面白いことができるかなって」

「面白いねぇ……で、例えばどんなのだ?」

「実は硝子っていう綺麗なものを作ろうと思って。素材があればさほど難しくなく作れるのですよ」

「へぇ、材料ってのはどんなんだ?」


意外と乗り気だなとメリアドールは感触の良さを掴む。


「まずは鍾乳石ですね。白いつららのような岩がたくさんある場所」

「てーと、俺が昔いったことのある場所だな。ガキん時に足を滑らせて転びそうになってな」


鍾乳洞のある洞窟はオーヴォが一度訪れたことがあるようだ。内部の澄んだ水を飲みに小動物がやってきたらしい。

そのとき妙にツルツルした白い岩で足を滑らせて転びそうになったという。


「もう一つはトロナっていう鉱物ですね……ちょっと汚い塩みたいな外見をしたものなんですが」

「岩塩じゃねーのか?」

「あー、食べれそうな色じゃないし、美味しくないと思いますよ」

「ふむ。……そういえば妙に分厚い層になってたのがあったな。岩塩だったら使えるかなと思って舐めたが変な味がしたんで直ぐに口を洗ってな」

「それ、どこです?」

「そんなに離れてないぞ? ガキん時にオヤジに連れられていったからな。あんときは急に降り出した雨から逃げるべく入っただけだしな」


鍾乳石の洞窟とはまた違った、地下に広がる空洞にそれがあったという。

もしそれがトロナの鉱脈なら、村の特産品として有用な採掘場になりそうだ。

オーヴォなら動物を狩る際に脂肪とかも得れるだろうから、石鹸作りの材料もトロナを得れるなら視野に入る。

トロナが見つからなかった場合は最悪植物の灰に含まれるアルカリから液体石鹸もできる……匂いがきついのが難点だが。


「その場所って、連れて行ってもらえますか?」

「流石に今すぐってのはどうもな……明日でいいか?準備もいるだろうしな」

「はい、それでいいですよ。僕も準備がいりますしね」


朝から有益な情報を得れたメリアドールは、明日の朝同じぐらいの時間に待ち合わせをした。


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