否斑猶
主人公の猶は「めだかボックス」の安心院なじみで読んで下さい。
これはただの地球のただの日本のただの人間の話。
僕・・つってもただの女なんだけど、僕の名前はただの否斑猶。
ただのごく普通な高校に通う、ただの高校二年生。
外見、そう、外見ねぇ・・。
ああ、隣の席に座ってるただの男子曰く「安心院さんに似てる」らしい。
は?何だそりゃ。
安心院?あんしんいん?あじむ?
聞いた事もなければ食った事も無いぜ、そんなの。
さて。
今日もただの一日をただの太陽が照らすただの窓際の席にただ座ってただの授業を受ける。
別に好きで受けてる訳じゃ無い。
ただ母とやらの存在に従い、ただ何も言わずにただ勉強を続け、ただ受験して高校に受かった。
―何の目的も無い人生―。
小学生の頃は目的を見つける為に何でもやった。
本を読んだ。
絵を描いた。
料理をした。
歌を歌った。
立ち読みをした。
煙草を吸った。
博打をした。
走った。
歩いた。
叫んだ。
中学生の頃は正直それに飽きた。
本を読んだってただ心には何も響かないし、
絵を描いたってただ何の足しにもならない。
料理をしたってただ指を切るだけだったし、
歌を歌ったって誰かの心に響かせようとは思わなかった。
高校に入ってからは友人とやらに頼まれレンタルビデオ屋のバイトをした。
―――『人間観察』―――。
ただの人間達はそう呼ぶ事。
僕はただ無意識にしていた。
僕の記憶に残っているのは、うーん・・・
そうだな、アダルトビデオを借りに来たおばさん、かな。
そのおばさんの目が異常だった。
僕に向ける視線というのが、いやらしかった。
いくら鈍感な僕でもそれは理解できたぜ。
ああ、授業とやらが終わった。
僕はただの鞄にただ教科書をつめ、生徒用玄関へ向かった。
※オールフィクション