そうはイカの・・・
へっ。やっと完成したぜ。タイムマシンがよ。
何のためにかって?決まってらあな、昨日の、競馬の負けを取り戻すためさ。
ずいぶんスッちまったからなあ。
頭にきたおれは、徹夜でタイムマシンを作り上げたって寸法さ。
さて、では早速、昨日へ出かけることにしよう。
着いた。昨日の競馬場だ。
第1レースは分かっている。2-5だ。
おれは有り金全部で、2-5を買った。
結果は・・・もちろん2-5さ。払い戻し場で、おれの目の前には、札束が積まれた。
第2レースも分かっている。1-4だ。札束は、もう束ではなく山になってきた。
こうしておれは、バッグがパンパンになるまで金を儲けた。
こいつで豪遊してやろうかとも考えたが、今日まで素寒貧だった奴が、急に豪遊しては怪しまれる。まあ、居酒屋で一杯やるぐらいにしておこう。
いい気分でおれはアパートに帰った。
今日からおれは大金持ちだ。働かなくてもいいんだ。世間の奴らめ、ざまあみろ。
明日から何をしようか考えながら、おれは眠りに就いた。
目が覚めた。日がだいぶ高い。もう昼かな。
おれは昨日のバッグへ目をやった。
バッグはぺしゃんこになっている。おれは急いで中身を確かめた。
空っぽだった。
そうか、そういうことか。