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The-Dragons  作者: イグアナ


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5/17

力比べ

 その日の夜。


 火は小さく、周囲は暗かった。

 かんたは地面に座り、枝をいじっている。


 龍が、ふと口を開いた。


「お前、弱いだろ」


 一瞬、沈黙。


「……は?」


 かんたが顔を上げる。


「弱いって言った?」


「言った」


「いやいやいやいや!」


 勢いよく立ち上がる。


「俺は強いから! 本気出してないだけだから!」


 そう言って、かんたはどこからか妙な物を持ってきた。


 丸い板。

 ロープで吊るされ、軽く固定されている。


「パンチの力を測るやつ!」


「……測れるのか、それ」


「測れる(らしい)!」


 測定方法は単純だった。

 板を殴って、どれだけ飛ばせたか。

 横に刻まれた印は、一つでだいたい俺が使っている長剣の1/5程度だ。


「俺からいく!」


 かんたが構え、思いきり殴る。


 ――ゴン。


 板は揺れ、少しだけ移動した。


「……一、二、三……」


 かんたが数える。


「十二!」


 自信満々に言った。


 龍は何も言わず、次に出る。


 一撃。


 音と同時に、板が視界から消えた。


 ロープが切れ、装置ごと倒れる。


「……壊れたな」


 幸人が言う。


「じゃ、じゃあ次は幸人で!」


 幸人は無言で一歩前に出る。


 一撃。


 今度は、支柱ごと倒れた。


 しばらく、誰も喋らなかった。


「……もう一回!」


 数日後。


 かんたは、少し形を直した装置を持ってきた。


 殴る。


 板は前より飛んだ。


「百六十!」


 満足そうに言う。


 龍は、うなずいた。


「前よりは、な」


「だろ!?」


 幸人は弓の手入れを続けている。


 夜は静かだった。


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