いつか同じ空の下で
外は休日、五階病室の窓からみえる世界は連日振りつづいた雪は嘘の様に止み空気中の塵を雪で払いおとした空はまるで腕を伸ばせばとこまでも落ちていけそうなほど遠い青色だった。
降雪が続きご無沙汰だった日向も今日は澄んだ空気を暖め外へ足を伸ばすには絶好の陽気を孕む素晴らしい休日だ。
伸ばせる腕も足もない俺には関係ないがな俺は日常よりも近いのに遠い空の不安感に押しつぶされながらもその1日をたえた。
空は青い衣を脱ぎ太陽を伏せた。
夜がベッドに横たわる俺を窓に映す
いつも通りに消灯の闇が視界をつぶす
いつもの不安感が動かない手足から胸へはってくるような感覚が眠気を塗りつぶす。
ふと思った何かを忘れている。
俺は救急車をよんで以降一度も起動してない10年来のゲームをこの日起動した。
少しプレイしてみておれは、このゲームを再開、続けられるかとふと疑問に思った
何れサービス終了してできなくなる覚悟はしていたが俺の方が先に終わるなんては予想さえしてなかった。最後の日は終了時間まで一緒なんて想像、キャラや思い出を忘れないよう準備をしてたのに、二次元より先に先に現実の俺が終わる可能性にうちのめされる。
付き合いがながすぎてこのゲームとそのキャラには友人、相棒、宝、ペットにも似た言語化できない感情がある親と先代猫を除いたらこのゲーム以上に人生を共にした存在がいないのだどう評したらいいのかが俺もわからない。しかし少なくとも俺のを心の象を構成する何かではあると思う。
そんな今一番近くに残る日常の存在を思いだし、暗いなか相棒ともいえるキャラを眼に焼き付けてから俺はベッドに体を預けた。
昔(1ヶ月経ってすらいない)よく寝る前にしていた癖なのだが、脳内でキャラと話したり其こそ恋人みたいな行動をする脳、結構寝れるんだこれが、てか他にもやってるのいっぱいいるだろ。
そう言う都合のいい想像で安心感と雑念を廃して気付いたらねてるてのが俺の一番楽なすいみんだったんだ。
そういう想像の中でも、俺は質素な執務室であるキャラとゆったり仕事をする想像が好きだった日向や夕日がその娘の髪をすかして魅せる光が美しかった、俺より仕事が早いその娘に仕事を助けて貰ったり注意されたり時折交わす視線が嬉しかった夢でたまに起こされたりしたら起床とリンクする偶然が面白かったもしかしたら胡蝶の夢なんてあり得ない希望を想起出来たのが心が楽になった。割りとダメダメな俺には想像が心を助けてくれたんだ。
最初は興味が無かった擬人化系ゲームだったしかも死んだらキャラが本当にきえるシビアなシステムだったけどなぜか10年以上の付き合いになったコンテンツだ他人からみたら無価値に映るだろうが人生の約半分の時間を連れ添った俺の生活に根付いた趣味と考えればすこしは理解できないかな、まぁ出来ないか。
まぁでもおれにとっては大切な半生の思い出で心象風景なんてものがあるとした何割は其がになうだろうくらい心に根付いた作品でキャラ達だったんだ。
異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常異常
顔が出ない体が出ない声がでない瞳を思い出せない
相棒とはあの娘とは誰で何だ?
そういった心の支えだった
でもそれがなんも出てこないんだ。
人からみたらどうでもいいだろう俺からしたら10年連れ添ったこころの支えがきえたようなかんかくだったんだ。
声や顔も姿をおもいだせるのに何かが俺の何かが想像を拒否している。
「そうだよな○○」
声に成っていない息のような音を耳がとらえる
「そうだ」
もう無理なんだな
気付いたら空が白んでいる
寝ていたようだ、
窓から見上げる空は夜明け前でその瑠璃色の空を涙から通して見るとそれは空が瑠璃色に揺蕩うようで其はきっと海の底から見上げた空の色に近いのだろうと俺は想像していた。
あぁ海に沈む瞬間がどういうものか理解出来た。
暗く冷たい海の底でも空は変わらず美しいのでしよう…
その瞬間また一つ確かに何かがきえたんだ
そうしていると瑠璃色さえも視界からかえた夜明けの瑠璃色をさえ覆い隠す雪は何をなくしたのか途方にくれる俺は消してくれない。
何をなくしたのかさえわからない俺にはもう見えないけど多分消えた何かは最後こう言ったと思う
「いつか同じ空の下で」
確か大事な人へ充てた言葉だったんだ