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1/3 静寂の中で広がる無限の世界

場所: ボリビア ウユニ塩湖

時刻: 午前7時

天気: 晴れ

気温: 11℃

湿度: 70%


澄み切った冷たい空気が、無限に広がる鏡のような大地を包み込んでいる。

静寂が広がり、世界が息を潜めているような感覚を覚える。

足元には水面が広がり、どこまでも続く空が映り込んでいる。


風ほとんど風はなく、ほんのわずかに肌を撫でる冷気があるだけ。

風の音さえ聞こえない静けさがこの場所の神秘性を際立たせている。


ほぼ無臭だが、塩湖特有のかすかな塩の香りが風とともに漂ってくる。

澄んだ空気が鼻腔を通り、身体全体が浄化されるような感覚がある。




地球上で最も広大な鏡



目の前に広がるのは

無限とも思える鏡の世界


その場に立った瞬間  すべての音が遠ざかる 


自分が

どこにい

るのかす

わから

なくなる感覚

に包ま

れる


足元の水面は

滑らかで

まるで研ぎ澄まされたガラスのようだ


風が吹いても

波立つことはない


ただ静かに

空をそのまま映し続けている


白い塩の大地を覆う薄い水の層が

青い空を抱き込む



上下が 完全に一体化した世界が 目の前に広がる


目を凝らすと

塩の結晶が光を反射している


無数の星のように瞬く光景に

自然と足が動き出す


波紋が広がるとともに

自分の影が揺れ動く


その影はまるで自分の分身のように

水面に溶け込み

無限の青に吸い込まれていく



ここに立つと 天地の境界が 完全に消える



目に映るのは

果てしない鏡とその中に映る自分


空と地上の区別が失われ

時間すら止まったような感覚に陥る


大地が空を映し出し

その中に自分がいる


この奇跡的な風景が

自分という存在をまるごと包み込んでいく


足元の水が冷たく

柔らかい風が肌をかすめる


遠くには雲が浮かび

それが水面にゆっくりと映り込む


その静けさは

音を持たない大地の声のようだ


周囲には人の気配すらない


広大な世界に

自分ひとりだけが存在している錯覚を覚える



そしてふと気づく


この場所は

ただ美しいだけではない


自分自身の存在意義を問いかけてくる場所だ



目の前の鏡の世界は

まるで心そのものを映し出している


自分がどこから来て

どこへ向かおうとしているのか


その問いが

この静寂の中で

鮮明に浮かび上がってくる


無限に広がる鏡の大地は

過去と未来の

すべてを映し出す


そして

ここにいる自分の存在を

そっと教えてくれる


この場所に立つだけで

世界が広がり


自分がその一部であると

実感する瞬間が訪れる


塩湖に映る空の果てに手を伸ばし

未来の自分と出会うような感覚に包まれる


ここでは

美しさが問いとなり

静けさが答えとなる


風景そのものが

内なる声を響かせる


そして自分という存在が

この大地と空の無限の広がりに

繋がっていることを感じる



この瞬間 目に映る景色は ただの風景ではない


魂を揺さぶり

新たな始まりへと導いてくれる

奇跡そのものだ






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