第6話:冒険の始まりと終わり
主人公ステータス
名前:カエデ=アキノ
能力
・言語理解Lv.2
言葉が理解できる。文字の読み書きができる。
・物質創造【防具】Lv.1
防具が作り出せる。特殊能力を付与できない。
・物質創造【武器】Lv.2
武器が作り出せる。特殊能力を付与できる。
・物質創造【道具】Lv.2
道具が作り出せる。特殊能力を付与できる。
・物質創造【地形】Lv.1
地形を作り出せる。←new!
「うぜえええぇえ!!」
蹴散らす。
「ぷよっ!」
「ぷよぷよしてんじゃねえええぇ!!」
蹴飛ばす。
村から出て半日、現在ヴィラ平原を横断中。
ひたすら湧き出るスライムもどきを蹴飛ばし、踏み付け、吹き飛ばしながら。
なぜかエンカウント率が異常になってて、倒す→歩こうとする→遭遇→倒す……の繰り返し。
「なんかすげえイライラするな……」
本当にイライラする。地味に纏わり付いてくるのがうざったくてしょうがない。
「次は、えーとどっちだ」
スライムもどきの妨害を半分シカトしながらひたすら歩く。
西にはアルファビア王国、東にはバロウム王国。
アルファビアは賢王が統べる国で、団結力が強く治安も良い国。
バロウムはほとんど王は政治に関わらず、傭兵、盗賊くずれも多く、治安は最悪。
この2つの国は昔っから仲が悪く、現在も小競り合いが絶えないらしい。
「とは言え戦争なんて俺には関係ない」
セラの話を聞きながら、自分に有利な国はどちらかなんてすでに決めている。
自分に有利にならない国がどうなろうと知らん。
とりあえずは着いてからのお楽しみということで、
「寄るな半固形生物があぁ!!」
足元でちょろちょろしてるのを薙ぎ払うことにした。
※
「ぷよっ!」
こんにちは、プヨンLevel.1です。僕、昨日生まれました。
プヨン社会は厳しく、1日で独り立ちしなくちゃいけません。
まだ弱いので基本的に徒党を組むのが定石なんで、同期と組んでたんですが。
「うぜえええぇえ!!」
魔人に遭遇しました。
次々に踏み付けられ蹴られる仲間達。
プヨ美が潰れ、プヨ二郎が吹き飛ばされていきます。僕は少し離れていたのでターゲットにはならなかったみたいですが。
しかし、ここで味方を放置して、自分だけ助かればいいのでしょうか?
否。断じて否です。
僕は覚悟を決め、
「ぷよぉおおっぶぇ!」
「ぷよぷよしてんじゃねえええぇ!!」
蹴り飛ばされました。
薄れゆく景色の中、僕は自分の冒険が終わったのを悟りました。
願わくば、次の人生(プヨン生?)は、もっとまともなものを――――
ぐしゃ。
〜プヨンの冒険、完〜
※
「なんかすげえイライラするな……」
こうして、彼の冒険は終わり、一人の青年をイライラさせて終わった。
しかしそれが、後に青年の人生を変えることを、まだ誰も知ることはなかった。
〜プヨンの冒険、ホントに完〜