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Second life (仮)  作者: 壱弥
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第30話:怠けモノ

まあ。漫画や小説のような投げっぱなしENDとは現実にいかないようで。


「それでは第一回、アルファビアとバロウムの休戦、および友好会議を始めます」


ぱちぱち…ぱち。


「お前らやる気あんの?」


私たちなれあう気はございません、と言わんばかりにそっぽを向く奴ら。

現在、少数で話し合った方がいいだろう、という意見の元3対3で会議を始めたわけだが……本当にやる気あんの?


「ワタクシ、まだ納得しておりませんわ」


アルファビア屈指の反対派(っぽい)お姫様。けどアンタぶっちゃけこの中で一番弱いんだから黙ってた方がいいんじゃない?


「別に、また戦争を始めてもこっちが勝つんですがね」


フェーネさん煽らないでください。あんたら仲良かったでしょうが。主にジャックいじめるときに。


「まあ戦争は悪なんだから、それがなくなるというのなら私は賛成するぞ」


はいはい、相変わらず扱いやすくて助かるよ馬鹿椿。本当にこの正義馬鹿っぷりはなんとかならないものか。ていうかどうしてここ来たのかってまだ聞いてないんだがな。


「…………」


そしてぷるぷる震えてる魔術師。顔は見えないが……怖いのか? 平民上がりか何かで、椿に連れてでも来られたのかね。


「まあ俺は仲良くしたいんだがな。そこの勇者サマとかやっぱり綺麗だし、どうです? 今度一緒にどこかぶるぁあああ!?」


馬鹿二人目。お前王子だろ。


いかん、こいつら話をまとめる気がまるでない。なぜか俺が司会進行してるし。


「あー、えー、とりあえずですね、俺……失礼、私とそこにいる勇者様(笑)がいる以上、お互いに軍を出すのは無駄でしかないんですよ。ここまでは皆さんわかってますよね?」


こくり、とうなずく一同。よかった、そこまで馬鹿じゃなかった……


「で、私と勇者様(失笑)が相打ちになるってことはですね、決着がつかないってことで。ってことは、これ終わりませんね? わざわざ終わらないのに敵対続けるってのも馬鹿な話で、仲良くすればいろいろ経済的にも文化的にも歩み寄れると思うんですけども」


「ちょっと待った。確かに数字の上ではそれは正しいですけど、そのようなことは感情的に……」


うるさい黙れ金髪ツインテール。


「いやあんたら王族でしょう。国民からしたら戦争だって感情的に嫌だって思うでしょうが。まさか噂に名高いアルファビアの秩序と正義とやらは王族の感情なんぞでひっくり返せるもんなんですか?」


「うぐっ」


「じゃあ決をとりましょうか。和平に賛成か、反対か。まあ、まさか戦争を望む人なんていないとは思いますが。それじゃー賛成の人手を挙げて」


こうして、アルファビアとバロウムの和平は成立した……和平は。



「どうしてこうなった」


「俺も聞きたい」


「というか正直私帰りたいのですが。勇者様とやったら私本気で死ねますよね」


現在、バロウムとアルファビア代表の一騎打ちの準備中……本当に、どうしてこうなった。

回想スタート。


『それじゃあ、さっそく和平の条件を詰めるか。アルファビアとバロウムの領土についてどうする? 今はとりあえず平原までってことになってるが、和平するならそれなりに歩みよらないと』


『そんなの、アルファビアの方が人数が多いんですからアルファビアが多くですわね』


『ちょ、それは横暴というものでしょう。こちらの方が国土が広いんですから、こちらの割合を多くすべきです』


喧々諤々。国同士の醜い土地争いを止めたのは、我らが勇者様(冷笑)だった。……もちろん、まともな止め方じゃなかった。


『なら戦って決めよう。戦争じゃなくて、力比べだ。国の力の強いほうがいっぱい土地を取れるんなら公平だろ?』


お前、本当に現代人なの? 俺と同じ時代にいてそんな考えしてたの? どこの侵略者だおい!

そんな俺のまっとうな訴えもむなしく、じゃあ3対3の勝負で決めようという流れに。嫌な予感しかしねぇ。


はい、回想終了。

というわけでこちらは俺、ジャック、フェーネの3人。向こうは椿、お姫様、ローブの魔術師の3人。このうち、どう見てもお姫様は戦力外。つまりこちらはほぼ確実に一勝が約束されている……のだが。


「代わりに向こうも一勝ほぼ確定なんだよなぁ」


冬野椿。俺の幼馴染にして勇者様の戦闘力は異常。真っ向からぶつかれば、確実に敗北するだろう。つまり、一人を生贄に差し出さなきゃいけない。


「よし、椿は単純だから実力順で並べてくるだろう。そこでお姫様にフェーネさんを当て、あの魔術師は俺がやる。ジャックは……頑張ってくれ」


「いや待った!? さっき俺、姫さん倒してるから俺がやるべきじゃないか!?」


「駄目だ。フェーネさんと椿で戦うと向こう(椿)が文句を言ってくる可能性がある。勝つためならなんでもする、卑怯な手段とか言って怒り狂うのなんざ見たくないだろ」


「ぐう、ならカエデがやれば」


「お前さっきあの魔術師にぼろ負けしただろうが。どうやって防御してるか分からない以上、技の引き出しが一番多い俺が行くのが確実だ」


フェーネさんも剣のみ。ジャックも槍のみ。俺はありとあらゆる武器から地形から攻撃可能。突破の可能性は俺が一番高いのである。さて、それじゃ謎の魔術師の正体暴いて、勇者サマに事情聴取と行きますか。


……え、フラグ?何それおいしいの?

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